業務用野菜の低迷続く コロナ禍で消費減少 東京市場2021年4月28日
長引くコロナ禍で外食需要が減少し、業務用野菜の消費が低迷している。タマネギ、キャベツ、ハクサイなど、露地物の夏秋野菜の出荷が始まったが、価格はいずれも低迷している。各産地は、業務需要から小売り主体に切り替えるなど、懸命な販売対策を講じている。3月までの東京都中央卸売市場の青果物価格の推移から、野菜の値動きをみる。

北海道産が終盤を迎え、府県産のタマネギの出荷が始まった。昨年は、4、5月の緊急事態宣言の影響で、業務用や学校給食用の需要が減り、出始めから価格が低迷した。5月の東京市場のキロ単価は、を平年の半額、47円まで下落した。主力の佐賀産は需給調整を余儀なくされた。昨年の低迷を踏まえてJAさがは作型を分散。早生を減らして中生・晩生の作付け割合を増やし、出荷の平準化をはかった。
併せて業務需要の低迷を見越し、大玉の出荷を減らし、家庭用需要の小玉の割合を増やした。これが功を奏し、現在の価格は1ケース(10キロ)800円前後で、平年の水準を維持しているが、コロナ禍の長期化は避けられず、これから5月の連休のよる休市があり、6月からは出荷ピークに入るため、予断を許さない。
「作柄もよく、小玉中心に出荷しているので、量も少ない。昨年よりはやや高値で始まっており、この状態が続いてほしい」(JAさが杵藤エリア園芸販売課)と期待する。

業務用や契約栽培の多い、ハクサイやキャベツも同じように価格の低迷が続く。ハクサイは、昨年の11月からキロ30円台に急落し、今も平年の半値以下の50円を割る低価格が続いている。
主力産地の春ハクサイは終盤になるが、「業務用を中心とする大消費地への出荷は厳しい状態が続いている。かといってスーパーや量販店への販売にも限界がある」(茨城県JA常総ひかり園芸振興課)と頭を抱える。業務用需要の契約更新も滞っているという。同JA管内では、春キャベツの出荷が5月から本格化する。

重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































