培養肉のダイバースファーム「Feed The Next Billionコンペ」セミファイナルに選出2021年7月15日
培養肉開発のダイバースファーム株式会社(大阪市北区)は、XPRIZE財団が主催する食料不足を解決する世界的技術開発コンペ「Feed The Next Billionコンペ」のセミファイナルに選出された。
同コンペは、食料難問題を、培養肉の技術開発によって解決しようとする、コンペ方式の推進プログラム。賞金総額は16億円で、世界から300社近い参加があり、今回はセミファイナリストとして同社を含む約28チームが選出された。副賞として各チームに約1.6万ドルが授与される。今後は、2022年9月のセミファイナル大会で、実際の培養肉を用いた料理によるコンペが行われ、上位10チームが2024年3月のファイナル大会に進む。
同社は、7年間連続でミシュラン星を獲得した本格日本料理店「雲鶴」(大阪市北区)と再生医療ベンチャー企業のティシューバーネット株式会社」(東京都北区)が共同で設立。「培養肉で地球と暮らしを守る」をミッションに、再生医療の技術を活用し、本格的な培養肉開発を進めている。
人口増加などを背景に、世界的に食料、特に食肉の供給難が予想されており、発展途上国だけでなく、先進国でも近い将来直面する問題となる中、「雲鶴」など本格日本料理店にとっては料理人の目利きに適う食材は生命線。一方で、食料供給が不安定になることも同様に予測されることから、再生医療技術を基盤とした本格培養肉開発を推進している。
同社が開発する手法は細胞だけを融合させて、大型の細胞ブロックを作製する技術。元々人工臓器作製のために開発された技術で、ヒト由来細胞だけでなく、他の動物由来の細胞にも有効で、トリの細胞を使えばトリ肉になり、ウシの細胞をつかえば牛肉となるという画期的なアプローチとなる。この技術を用いると、料理人の要望にあった肉質、脂肪量、更にアミノ酸などの組成割合のコントロールができるようになる。また、完全無菌状態で培養するため、長期間保存の実現や食中毒予防、および、疫病による汚染などの影響もない。
さらに同社は、遺伝子操作や幹細胞など安全性未確立の技術は使わず、食料として認められている材料のみから培養肉を作ることを目指している。原料となる細胞は定期的に必要で、既存の畜産業から継続的に提供してもらう必要があるため、畜産業に+アルファとなる事業モデルをめざしている。
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