2020年度の食品通販市場調査 前年比13.1%増 矢野経済研究所2021年9月24日
矢野経済研究所は、2020年度の国内食品通販市場を調査を実施。食品通販市場は前年度比13.1%増の4兆3057億円で、コロナ禍の食品通販需要が顕在化し、市場は2桁成長した。
2020年度の国内食品通販市場規模は、小売金額ベースで前年度比13.1%増の4兆3057億円となり、初めて4兆円を突破し、2桁成長となった。コロナ禍における外出自粛、外食を控えた内食化の広がり、巣ごもり需要などが発生し、食品通販市場は全体的に追い風だった。
特に、第1回目の緊急事態宣言が発出された2020年4~6月は、食品の巣ごもり需要やまとめ買いが急増し、長期保存が可能な米や飲料、乾麺、レトルト食品、インスタント食品、シリアルなどが大きく売上を伸ばした。また、自粛期間の長期化につれて、在宅時間を充実させたいというニーズが高まり、普段より美味しい・高品質な食品のお取り寄せ需要が高まる結果となり、そのトレンドは2021年度も続いている。
新規参入が急増する食品EC市場
食品EC市場では、2020年4月以降、ここ数年では比類ない数の新規参入がみられた。それに伴い、市場は活性化しているが、一方で競争も激しくなっている。
特に新規参入が目立つのは、百貨店のECサイトをはじめ全国各地のグルメ品をお取り寄せするようなグルメ系ECや、生鮮食品や酒のEC。コロナ禍で外食業界が大きな打撃を受けており、飲食店が店舗で提供するメニューを冷凍デリに加工してECで販売したり、外食産業向けに提供していた生鮮食品が流通先をなくして、ロス削減も訴求しながらD2C(Direct to Consumer)で家庭向けに販売する動きが加速した。酒類も同様に、飲食店における需要が激減する一方、家飲みが拡大しているため、家庭向けにEC販売する動きが加速する結果となった。
将来展望
2020年度前半からみられた特需は沈静化がみられるが、再度の感染拡大による緊急事態宣言やまん延防止等重点措置延長の影響で、2021年度も全体的に外出を控え、在宅率が高い状態が続いている。
これに伴い、食品通販に対する需要は高止まりの状態が続いており、食品関連企業の業績は期初計画を上回る推移となっている。2020年度からのトレンドが続いており、2021年度の食品通販市場規模を前年度比3.5%増の4兆4576億円になると予測する。2022年度は、2021年度は持ち越された特需の反動減になる見通し。
調査期間は6~9月に、通信販売事業者、食品関連企業、生協、食品小売事業者、食品卸等を対象に、直接面談(オンライン含む)とアンケート調査などで実施。
重要な記事
最新の記事
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日