世界初 ボルネオ熱帯多雨林の「一斉開花」衛星観測で広範囲にとらえ2023年2月17日
海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、米国ハワイ大学マノア校、宮崎大学、チューリッヒ大学、横浜市立大学、マレーシア国 サ ラワク森林局、高知大学との国際共同研究チームで、光学センサーが搭載された高頻度高解像度衛星「PlanetScope」により観測された分光データを用いて、東南アジア熱帯域特有の開花現象「一斉開花」を広域的にとらえることに世界で初めて成功した。
ランビルヒルズ国立公園で2019年に生じた一斉開花現象の様子
一斉開花現象を含む熱帯域の植物季節は、光合成や蒸発散を介した気候システムや生物多様性の理解を深めるために重要な観測項目のひとつ。しかし、既存の衛星観測では、センサーの精度や観測頻度が不十分であったため、これまで一斉開花現象は、観測タワーやクレーンにおける目視観測やタイムラプスカメラを用いた定点撮影により限定的にとらえられてきた。このため、種ごとの開花季節の特徴や種間の同調性についての空間分布の動態を広域的に評価することができなかった。
同研究では、現地における長期的な地上観測データを用いた検証に基づいて、PlanetScope衛星により観測された分光データは、ボルネオのランビルヒルズ国立公園内(マレーシア国サラワク州)で、2019年に広域的に生じた一斉開花現象の空間分布の特徴をほぼ個体レベルでとらえたことを明らかにした。
この成果は、既存研究において不十分だった熱帯多雨林を対象とした植物季節観測の高精度化、光合成や蒸発散など植生機能の理解の深化、さらには樹種判別の高精度化や開花季節の同調性のメカニズムの理解の深化を促進することが期待される。
同成果は、2月8日付『 Ecological Research』誌に掲載された。
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