温暖化でリンゴが甘くなる 農研機構などが立証2013年8月21日
温暖化で果実の酸含量が減ることでリンゴの甘みが増すということを農研機構果樹研究所と長野県果樹試験場、青森県産業技術センターりんご研究所が8月20日、明らかにした。今後、温暖化のもとでも食味のよい高品質な果実を生産できる新しい技術の開発が求められる。なお、この研究成果は8月15日、英国の科学誌『Scientific Reports』に掲載された。
農研機構と長野、青森の研究所は共同で、過去30?40年にわたるリンゴの品質データを分析し、温暖化に伴ってリンゴの食味が変化していることを明らかにした。酸含量が徐々に減る一方で、糖含量はやや増加しており、リンゴが甘く感じられるようになっているという。
この原因は、春先の温度上昇で発芽や開花が早期化し、果実の生育期間が長くなる傾向にあることと、果実の成熟期の温度が高くなり、酸含量の減少が進みやすいためと考えられる。「今後、さまざまな果実への影響を詳細に調べ、高温障害など目に見える部分だけでなく、長期にわたる品質の変化など、実感しにくい影響も明らかにしていく必要がある」という。
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