トマトなどの青枯病をアミノ酸で予防 農研機構2016年10月27日
農研機構は10月26日、トマトの青枯病にアミノ酸が効くことを発見したと公表。研究担当者によると、青枯病にかかる作物全体に効果のあることが予想されている。
アミノ酸の一種ヒスチジンなどをトマトに与えると、青枯病の発病が抑制できることが発見された。トマトを植えたポットをヒスチジン溶液にひたし青枯病を感染させたところ、水だけのポットと比べ発病が抑えられた。
農研機構植物・微生物機能利用研究領域の担当者、瀬尾茂美氏はヒスチジンに青枯病菌を殺菌する効果があるのではなく、「植物の病害抵抗力を高める効果がある」と指摘。ヒスチジンだけでなく他のアミノ酸アルギニン、リシンなどでも効果があることが分かっており、アミノ酸の他の種類についても研究が行わえている。
さらに、トマトだけでなくナス科のタバコやアブラナ科のシロイヌナズナの青枯病にも効果を示すことが分かっている。同氏は、「原理的には、トマト以外でも青枯病にかかる植物であれば効果があると予想できる」と話した。
アミノ酸は認知度が高く、試してみたいと思う方も多いと思う。同氏は現状で試してみたいという生産者に対して「市販のアミノ酸入りの資材を撒き、試験的に様子を見ることはできるかもしれません。また青枯病の防除方法として接ぎ木を行う事が多いですが、接ぎ木だけでは完全に青枯病を防ぐことができません。接ぎ木の際にアミノ酸を加え、防除効果を高めることでさらなる防除が期待されます」とコメントしている。
今後、民間企業とともに病害防除剤の開発が進められる予定。
青枯病は植物病原細菌の一種である青枯病菌の感染で起こる。主に根から侵入し、これに感染すると、植物の導管(水分などが通る組織)で菌が繁殖、水分の吸い上げができなくなり葉や茎の上部で萎れが起き、最終的に枯死する。トマトやナス、ピーマン、ジャガイモ、ショウガなど多くの作物に発生する重要病害のひとつ。
(写真)右がヒスチジン養液に浸したもの。左は蒸留水
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