トマト施設栽培でIoT活用の共同実験開始 タキイ種苗とNTTテクノクロス2019年2月28日
タキイ種苗(株)とNTTテクノクロス(株)は、IoTを活用したトマト農家への新しい栽培アドバイスの方法を開発するための共同実験を3月1日から開始する。
農家の高齢化などから栽培ノウハウの継承が難しくなってきているが、そうしたなかでタキイ種苗はこれまで同社で培ってきた農業ノウハウを基に農家に栽培アドバイスを行ってきている。今後も農業の普及に貢献していくために、NTTテクノクロスとIoTを活用した新たな栽培アドバイスを実現することをめざしてこの共同実験を実施することにしたという。
今回の実験は、ビニールハウスなどトマトを栽培する施設内に、天井近く、株元、入り口周辺、施設の奥など随意の複数の場所に温度・湿度センサーを設置し、無線ネットワークを利用してデータを収集・蓄積する。また、データをスマートフォンでリアルタイムに確認できるアプリケーションも開発することにしている。このアプリをタキイ種苗の栽培アドバイス担当者が利用しながら、農家にトマトのサイズや品質安定化のための適切なアドバイス法を検討することにしている。
これまでも施設内の環境を測定する機器や制御機器が開発され、これらの機器を使った環境制御技術によって収穫量の増加が可能となってきている。しかし、これらの技術だけでは、施設内の環境を均一化して、果実のサイズ・食味・機能性などの出荷基準を満たした品質の果実を量的にも収穫することが難しいのが現状だといえる。
今回の実験では、図のように施設内の随意の場所にセンサーを設置することで、施設内の平均値(あるいは特定の場所)ではなく、施設内全体の状況を可視化(データ化)することで、適切な栽培管理(アドバイス)を可能するもの。
さらにデータを通年および複数年蓄積することで、より正確な分析が可能となることや、複数の施設のデータを蓄積することで栽培アドバイスがより的確に行えるようになることも期待できる。
タキイ種苗では、今回の実験で得られるデータや開発されるアプリを農家への栽培アドバイスに応用することで、「出荷品質を満たした収量の1割向上をめざす」という。
また、両社は、今後も作業工程の見える化・自動化などによる省力化やAIなどの技術と栽培ノウハウを融合させた実験を実施し、さらなる農業の発展に貢献していきたいと考えている。
なお、実施場所は、徳島県石井町のTファームいしいのオランダ型高度環境制御ハウス(ロックウールによる水耕栽培、促成栽培)。
重要な記事
最新の記事
-
不測事態の食料確保、スマート農業法など3法案 衆院で審議スタート2024年4月25日
-
【注意報】麦類に赤かび病 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2024年4月25日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年4月25日
-
【注意報】ウメ、モモ、などに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 和歌山県2024年4月25日
-
【特殊報】キュウリに「キュウリ黄化病」府内で初めて確認 京都府2024年4月25日
-
電動3輪スクーター「EVデリバリー」JA豊橋に導入 ブレイズ2024年4月25日
-
ほ場作業の約9割を自動化するオートコンバイン「YH6135,A7135,A」発売 ヤンマー2024年4月25日
-
むらぐるみの共同労働【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第288回2024年4月25日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】「農村は国の本」~焚書として消された丸本彰造著『食糧戰爭』が復刻された2024年4月25日
-
【JA人事】JA水戸(茨城県)新組合長に園部優氏(4月21日)2024年4月25日
-
【人事異動】フジタ(4月1日付)2024年4月25日
-
米麦水分計PB-Rを新発売 ケツト化学2024年4月25日
-
全国の小学校・児童館に横断旗を寄贈「7才の交通安全プロジェクト」こくみん共済 coop2024年4月25日
-
自然とふれあう農業体験 伊勢崎市で27日に開催 パルシステム群馬2024年4月25日
-
野菜の鮮度保持袋で物流2024年問題解決へ「JAGRI KYUSHU」に出展 ベルグリーンワイズ2024年4月25日
-
粉末化でフードロス解決に挑戦 オンラインセミナー開催 アグリフューチャージャパン2024年4月25日
-
長期保存食「からだを想う野菜スープ」シリーズ新発売 アルファー食品2024年4月25日
-
生産者と寄附者が直接つながる「ポケマルふるさと納税」が特許取得 雨風太陽2024年4月25日
-
焼けた香りや音に満足感「パンの食習慣」アンケート実施 パルシステム2024年4月25日
-
埼玉県産いちごの魅力を伝える「いちごソング」が完成2024年4月25日