農業用水路をヒートポンプの熱源として活用可能に 農研機構2020年1月17日
農研機構は、シート状熱交換器を農業用水路などの流水中に設置すると、土中設置した場合より約15倍の効率で熱を交換できることを明らかにした。この成果を活用すれば、農村地域に広く配置されている農業用水路を、ヒートポンプの熱源として利用し、農業用ハウスの冷暖房で消費するエネルギーの削減や、ランニングコストの削減に役立つという。
農業用水路をヒートポンプの熱源として利用し、農業用ハウスの冷暖房で消費するエネルギーの削減やランニングコストを削減
農業施設では、空気中や地中などから熱交換して冷暖房や除湿を行い、エネルギー消費とランニングコストを削減する技術として、ヒートポンプが導入されている。現在は熱交換器を空気中や土中に設置する方式が主流だが、より交換効率の良い、水中へ設置するための研究が進められている。
農村地域にはため池や井戸などよりも速い流水条件が得られ、高い熱利用が期待できる、受益面積が100ha以上の農地に送水している基幹的農業用水路が、約3.3万km敷設されている。しかし、これまで熱交換器を農業用水路内の流水中に設置した事例はなかった。
農研機構は、農業用水路における流水熱利用を図る目的で、農村工学研究部門(つくば市)の実験棟内に農業用水路を模した実規模水理模型にシート状熱交換器と実験システム(図)を設置して、流速条件や設置方法の違いによる熱交換特性を明らかにした。
その結果、熱交換器を流水中に設置すると、熱交換器周辺の水が常時移動することから、ヒートポンプを冷房運転、暖房運転したどちらの場合でも、土中や静水中に設置した場合に比べて熱を効率良く交換できることがわかった。
冷房運転時に、熱交換器を流水中に設置した場合の熱交換効率は、静水中に設置した場合の約2.5倍、土中設置の約15倍、従来型のスリンキー式熱交換器を土中設置した場合の約25倍。この結果からも、農村地域に広く配置されている農業用水路を、ヒートポンプの熱源として有効利用できることが示された。
同成果は、農業用ハウスの冷暖房で消費するエネルギーの削減、ランニングコストの削減に役立つとともに、戸建て住宅、集合住宅、コンビニエンスストアー、商業施設など農業用水路に隣接する熱利用施設での利用にも期待される。
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】シキミ、カンキツにチュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 宮崎県2025年11月6日 -
【注意報】野菜類・花き類にチョウ目害虫 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2025年11月6日 -
米の生産費高止まり 60kg1万5814円 24年産米2025年11月6日 -
栗ご飯・栗タマバチ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第363回2025年11月6日 -
輸出の人気切り花スイートピー生産の危機【花づくりの現場から 宇田明】第72回2025年11月6日 -
千葉県から掘りたてを直送「レトルトゆで落花生 おおまさり」販売開始 JAタウン2025年11月6日 -
東京育ち 幻の黒毛和牛「東京ビーフ」販売開始 JAタウン2025年11月6日 -
オンライン農業機械展示会「オンラインEXPO 2025 WINTER」を公開中 ヤンマー2025年11月6日 -
第6回全社技能コンクールを開催 若手社員の技術向上を目的に 井関農機2025年11月6日 -
兵庫県 尼崎市農業祭・尼崎市そ菜品評会「あまやさいグランプリ」9日に開催2025年11月6日 -
静岡・三島でクラフトビール×箱根西麓三島野菜の祭「三島麦空」開催2025年11月6日 -
森林・林業業界の持続的価値創出へ「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」実施 森未来2025年11月6日 -
ホクトのエリンギ プリプリ食感になって26年振りにリニューアル2025年11月6日 -
豆乳生産量 2025年度7-9月期 前年同期109% 日本豆乳協会2025年11月6日 -
鳥インフル 米イリノイ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年11月6日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年11月6日 -
収穫体験やお米抽選会「いちはら大収穫祭2025」開催 千葉県市原市2025年11月6日 -
実習内容に基づき解説『演習と実習で学ぶ養液栽培』発売 誠文堂新光社2025年11月6日 -
横浜土産の新定番「横濱お米かりんと 黒蜜きなこ」新発売 ミツハシ2025年11月6日 -
液体せっけん量り売り 千葉「デポー園生」で開始 生活クラブ2025年11月6日


































