遠隔分析と「紫峰」連動 高性能NMRリモート供用システムの運用開始 農研機構2021年6月8日
農研機構は6月8日、民間等を含む外部機関の研究室等から農研機構のNMR(核磁気共鳴)装置を使って物質同定・構造解析を遠隔で行える「NMRリモート供用システム」の運用を開始。同システムにより新型コロナウイルスによる移動制約下でも遠隔地からNMR装置が利用可能となる。
NMR装置の自動化と遠隔化の概要
農研機構は、基盤技術研究本部を4月に新設。情報研究基盤を核として農業情報研究センター、農業ロボティクス研究センター、遺伝資源研究センター、高度分析研究センターが連携し、農業・食品分野のイノベーション創出を加速する。
高度分析研究センターは、NMR等の高精度機器による分析基盤の確立とビッグデータ活用により、企業、公設試、大学、他法人等と連携して基盤技術研究本部の研究資源をフル活用した研究開発を推進。このほど、農業・食品分野で外部利用ニーズの高い高磁場(800MHz)NMR装置とAIスパコン「紫峰」を連動させ、NMR測定から解析までを遠隔操作で一気に実施する、高性能な「NMRリモート供用システム」を構築した。
NMRの遠隔運用とAIスパコン「紫峰」との連携
同システムは、利用者がインターネットを通じて農研機構に整備されたNMR施設のワークステーションにアクセスすることで、あらかじめ送付した試料を、利用者自身が遠隔地からの分析できる。新型コロナウイルスによる移動制約下でも遠隔地からのNMR装置の供用利用が期待される。また、NMRサンプルの調製から、測定、データ処理の一連の工程が遠隔化・自動化され、NMR分析に精通していない方にも使い易くなっている。さらに、厳重に情報セキュリティ対策した安全性の高いアクセス環境を実現した。
AIを活用したメタボロミクス解析や創農薬に繋がる解析環境の遠隔化を実現すると共に、解析結果をリアルタイムで提供することを可能にしたシステムとして、6月8日から試験運用を開始した。
利用の相談等については以下メールアドレスに問い合わせを。農研機構 基盤技術研究本部 研究推進室(メール)Kiban_suishin@ml.affrc.go.jp
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