イネ稲こうじ病の防除へ 技術標準作業手順書を公開 農研機構2021年6月30日
農研機構は、これまで防除が難しかったイネ稲こうじ病に対し、転炉スラグ系資材や生石灰による土壌改良と、「1km-メッシュ農業気象データ版薬剤散布適期連絡システム」による適期防除の支援方法を組み合わせた防除技術を開発し、標準作業手順書を6月29日に公開した。イネ稲こうじ病の適切な防除が可能になる。
標準作業手順書の表紙
イネ稲こうじ病は、穂に黒い病粒を形成する水稲の病害。同病の病粒片が玄米に混入すると農産物検査で規格外になるなど発生による被害が大きく国の指定有害動植物にも指定されているが、これまでは防除が困難だった。
防除技術体系の基本手順
イネ稲こうじ病は、病粒に含まれる多量の厚壁胞子が土壌に落下し伝染源となり、翌年に本菌がイネ苗の根から侵入して収穫期近くの穂に症状が現れる。土壌中の厚壁胞子は数年間にわたり生存するため、一度発生したほ場では、数年間は防除が必要。同病は薬剤散布により防除できるが、有効な散布期間は出穂10〜21日前に限られており、適切なタイミングの判断が難しかった。
こうした問題を解決するため、土壌改良資材を水田土壌に混和し厚膜胞子から感染しにくい環境を構築する方法と、電子メールを利用した「1km-メッシュ農業気象データ版イネ稲こうじ病の薬剤散布適期連絡システム」による薬剤の適期散布を支援する方法を組み合わせることで同病を適切に防除できる技術を開発。この技術を導入することで、3年以内にイネ稲こうじ病の防除が不要となることが期待される。
1km-メッシュ農業気象データ版。イネ稲こうじ病の薬剤散布適期連絡システムのPC版画面例
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