サバクトビバッタの繁殖行動を解明 効率的な防除に期待 国際農研2021年10月13日
国際農研は、モーリタニア国立サバクトビバッタ防除センター、フランス国際農業開発センター、モロッコ国立サバクトビバッタ防除センターと共同で、サバクトビバッタ成虫の交尾と産卵行動を明らかにした。サバクトビバッタの特異な繁殖行動を解明したことで、農薬使用量の減少に繋がる効率的な防除が期待される。
(a) 地表にて飛来するメスを待ち受けるオスの集団
(b) オスの集団に飛来したメス(→)に群がり交尾を争うオス
(c) 夕方、産卵場所に群がるペア
(d) 夜間、集団産卵中のペア
サハラ砂漠で野外調査を行った結果、性成熟したバッタの成虫は、雌雄どちらかに性比が偏った集団を形成。メスに性比が偏った集団では、ほとんどのメスは卵巣発達中で、交尾していなかった。一方、オスに性比が偏った集団では、メスは産卵直前の大きな卵を持っており、ほとんどが交尾していた。
さらに詳しく調査したところ、日中、オスの集団に産卵直前のメスが飛来して交尾し、夜間にペアで集団産卵していた。バッタは交尾中、オスがメスの背中に乗ってしがみつくため、メスは飛んで逃げられず、鳥などの天敵から襲われやすくなる。雌雄が同居していると、オスは執拗にメスに交尾を迫るため、卵巣発育中のメスはオスと別居することで交尾を避け、産卵するときだけオスにガードされて安全に産卵していると考えられる。また、雌雄が集団別居することで雌雄間の対立を解消しながら、パートナーに効率よく出会えていると推察される。
防除の観点では、集団産卵中のペアはその場に数時間留まるため、日中、オスの集団を発見してもすぐに防除せず、夜間の集団産卵のタイミングを見計らって防除することが効率的。バッタの生態を応用することで必要以上に農薬を使わない、環境や健康に配慮した防除に結び付くことが期待される。
同研究成果は10月12日、「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)」電子版に掲載された。
繁殖行動の流れ
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