ネギの痕や葉を白化 ネギハモグリバエB系統 県内で新発生 山口県2021年10月27日
山口県病害虫防除所は、ネギハモグリバエB系統の発生を県内全域で確認。これを受け、10月27日に病害虫発生予察特殊報第2号を発令した。
白化が認められたネギの被害葉(左)、体長約4ミリに達するネギハモグリバエB系統の幼虫(写真提供:山口県病害虫防除所)
9月7日、下関市のネギでハモグリバエ類の食害による著しい無数の食害痕や葉の白化が認められた。その後、同様の被害を県内各所で確認。この被害状況は従来のネギハモグリバエと異なり、他県で発生が認められているネギハモグリバエ別系統に類似していた。同防除所が、農業・食品産業技術総合研究機構野菜花き研究部門に遺伝子解析を依頼したところ、従来の系統(以下A系統)とは異なる別系統(以下B系統)であることが明らかになった。
B系統の発生は、2016年に京都府で初めて確認され、以降、茨城県、富山県、千葉県、長野県、埼玉県、新潟県、栃木県、三重県、滋賀県、大阪府、愛知県、東京都、佐賀県、岐阜県、鳥取県、兵庫県、岩手県、秋田県、福島県、鹿児島県、福岡県、山形県、宮城県、大分県と青森県の26都府県で確認されている。
B系統の初期の食害痕はA系統と同様に不規則な白線状だが、B系統は1葉に複数の幼虫が内部に潜り込んで集中的に葉肉を食害する。そのため、食害が進展すると近接した食痕が合わさり、葉が白化する。
成虫の体長は約2ミリで、胸部と腹部は黒く、その他の部分は淡黄色。幼虫は、うじ虫状で、成長すると体長約4ミリに達する。蛹は体長約3ミリの褐色、俵状。形態によるA系統とB系統との識別は難しい。
生態は、両系統とも成虫は葉の組織内に産卵し、孵化した幼虫は葉の内部に潜り込んで葉肉を食害。幼虫は成長すると葉から脱出し、地表または土中で蛹になる。
同防除所では防除対策として、同様の被害を認めた場合は、ネギハモグリバエまたはハモグリバエ類に適用のある薬剤により、発生初期の防除徹底を呼びかけている。なお、薬剤抵抗性害虫出現防止のため、同一系統薬剤の連用を避ける必要がある。また、被害葉と収穫残渣は発生源となるため、ほ場に放置せず適切に処分する。
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