ナスにタバコノミハムシ県内で新発生 山口県2021年11月26日
山口県病害虫防除所は、ナスにタバコノミハムシの発生を県内全域で初めて確認。これを受け、11月26日に病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。
タバコノミハムシの成虫(標本)(写真提供:山口県病害虫防除所)
10月11日に防府市の露地ナスで、葉に小孔を開ける食害を発生させるノミハムシ類の一種が確認された。神戸植物防疫所に採集した成虫の同定を依頼したところ、山口県内では発生の確認されていないタバコノミハムシ「Epitrix hirtipennis」であることが判明した。また、県東部でも、露地ナスにおいて同様の被害を確認している。
同種は中央~北アメリカを原産とする外来種。2011年に群馬県で初めて発生が確認され、その後関東・東海地方を中心に分布が拡大した。2019年以降は、奈良県、岡山県、広島県、高知県など近畿、中国、四国地方にも拡大し、これまでに21府県から本種の初確認に関する報告がある。寄主としてナス、トマト、ばれいしょ等のナス科作物が確認されている。
被害を受けた葉(写真提供:山口県病害虫防除所)
同種の成虫は、表皮を残して食害、または葉を貫通して食害する。このため、直径1~2ミリ程度の多数小さな白い斑点や丸い穴の食害痕が観察される。葉が成長すると被害痕が円形の大きな穴になる。成虫の体長は1.5~2.5ミリ、長楕円形でやや扁平であり、密な短刺毛に覆われ、後脚の腿節が顕著に肥大している。体色はやや光沢のある赤褐色で、上翅には不明瞭な黒斑がある。
成虫は刺激を受けると、後脚により大きく跳ねる。卵は地表に産み付けられ、ふ化した幼虫は地中で根を食害後、地表近くで蛹化する。成虫は落葉下などで越冬する。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇現在、本種に対して適用のある農薬はない。
〇栽培終了時には、残渣を速やかに処分する。
〇この虫による被害が多く発生した場合には、病害虫防除所に相談する。
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