トマト立枯病 西濃地域で確認 岐阜県2022年2月1日
岐阜県病害虫防除所は、トマト立枯病の発生を西濃地域で確認。これを受け、1月26日に病害虫発生予察特殊報第4号を発令した。
地際部の発病(写真提供:岐阜県病害虫防除所)
近年、西濃地域の養液栽培トマト施設で地際部の茎等が褐変腐敗する症状が認められたため、同防除所は前作でこの症状が確認された5件の養液栽培施設で調査したところ、2021年10~11月に4件のほ場でこの症状の発生が確認された。罹病部から分離した菌株について岐阜県農業技術センターにおいて遺伝子解析を行った結果、Fusariumsolani-melongenae(Haematonectriaipomoeae)が検出され、トマト立枯病であると確認された。
土耕栽培施設での発生と異なり、養液栽培施設では葉かき跡からの発病が多く見られ、ポットの不織布や誘引クリップとの接触部位、捻枝による傷口からの発病も確認された。また、養液栽培施設では、2021年11月に発病株率が50%を超えるほ場も見られた。
なお、土耕栽培施設では2004年に同病の発生を確認したが、その後、顕著な被害は認められていない。同病は1990年に愛知県で初めて確認され、1999年に宮崎県、2021年に広島県と三重県で発生が報告されている。
罹病部に形成された子のう殻(写真提供:岐阜県病害虫防除所)
同病は、地際部や葉かき跡を中心に茎が黒く変色し、ひび割れ症状が見られる。茎内部まで症状が進行すると、株全体が萎れ、枯死する。罹病部表面に赤い子のう殻を多数形成している場合がある。
詳しい伝染経路は不明だが、罹病残渣に付着している病原菌が伝染源となり、飛散した分生子や子のう胞子の付着により感染を引き起こすと考えられる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発病株は伝染源となるため、直ちに抜き取り、袋に密閉して速やかにほ場外へ持ち出し処分する。
〇土耕栽培では定植前に太陽熱利用等による土壌消毒を実施し、養液栽培では生産資材の交換や消毒を実施する。
〇栽培終了時には植物残渣などを残さないようにし、施設内の衛生管理に努める。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日