ドローン・AI によるスマート植生評価法の開発 農研機構×バンダイナムコ研究所2022年6月20日
農研機構はバンダイナムコ研究所と共同で、ドローンと人工知能(AI)を用いて、イネ科牧草とマメ科牧草が混播された牧草地におけるマメ科牧草の被度を簡便に推定できる手法を開発。同成果により、手作業で行う画像解析の約1/5000の時間で、マメ科牧草割合を高精度かつ効率的に評価でき、マメ科牧草の密度に合わせた施肥や不足するマメ科牧草の追加播種など精密な草地管理が可能になる。また、混播に適したマメ科牧草の品種開発への利用も期待される。

放牧や採草を行う牧草地では、飼料の生産性や品質の向上を目的としてイネ科牧草とマメ科牧草の混播栽培が広く行われており、そのメリットを最大限に引き出すためには飼料中のマメ科牧草を適正な割合(約30%)に維持することが必要。農研機構とバンダイナムコ研究所は、ドローンを用いてイネ科牧草・マメ科牧草が混播された草地を撮影し、人工知能(AI)のモデルにより空撮画像上のマメ科牧草の被度を推定する植生評価法を共同開発した。

空撮画像で1 ㎡の牧草地におけるマメ科牧草を人手によって判別し被度を推定するには、3時間以上かかるが、AIモデルを用いることで、同様の精度で、高速(約2.5秒)かつ自動的に被度の推定を実施することができる。
同成果によって草地のマメ科牧草割合が簡易に把握でき、局所的な施肥、追加の播種などの精密な草地管理が可能になると考えられる。また、マメ科牧草は、生育が旺盛すぎるとイネ科牧草の生育を抑制し、弱いと逆に抑制。混播草地における構成割合は、マメ科牧草の品種育成における重要な評価項目で、同成果は品種育成の高精度化・効率化への貢献も期待される。
ドローン・AI を活用した草地管理によって牧草の多収・高品質生産を実現し、SDGs の目標「飢餓をゼロに」の達成に貢献するとともに、持続可能な社会の実現をめざす。
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