【特殊報】モモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 熊本県2022年12月16日
熊本県病害虫防除所は、モモ、スモモ、ウメにモモヒメヨコバイの発生を熊本県内で初めて確認。これを受けて、12月13日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。
モモの葉に寄生するモモヒメヨコバイ成虫(写真提供:熊本県病害虫防除所)
8月に県内の庭木のモモの葉で白化症状がみられ、被害葉には多数のヨコバイ類の寄をが確認。その後、9月に同様の症状が他地域の庭木のスモモおよびウメにおいても確認された。寄生しているヨコバイ類を採集し、果樹研究所で確認したところ、県内での発生が未確認のモモヒメヨコバイであることが疑われたため、農林水産省門司植物防疫所に同定を依頼。その結果、モモヒメヨコバイと判明した。
国外では中国、台湾、韓国、北朝鮮での分布が確認されている。国内では、沖縄県での分布が知られていたが、2019年に和歌山県で確認されて以降、本州、四国、九州の計20都府県で発生が報告されている。
モモヒメヨコバイ成虫の頭頂部の黒点(写真提供:熊本県病害虫防除所)
形態としては、成虫の体色は概ね黄緑色で、体長は3.0~3.5ミリ。若齢幼虫の体色は薄い黄色で、終齢幼虫になるにつれて成虫と同じ黄緑色になる。複眼は黒色で頭頂部に黒点を有する。
国内での詳細な生態は明らかになっていないが、モモ、スモモ、ウメ、アンズ、オウトウ等バラ科果樹を加害することが確認されている。また、海外ではサンザシ、ポポー、ポプラ等への加害も報告されている。
ウメにおけるモモヒメヨコバイの吸汁加害による葉の白化症状(写真提供:熊本県病害虫防除所)
成虫、幼虫ともに葉を吸汁加害。吸汁された部分は小さな点の形で脱色し、葉全体を吸汁されると白化症状となる。また、激しく加害されると早期落葉を引き起こす。被害葉の葉裏には多くの脱皮殻が付着している場合がある。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇同種の発生及び被害の早期発見に努める。被害葉が認められた場合は速やかに除去し、適切に処分する。
〇小粒核果類(スモモ、ウメ、アンズ)においてはモモヒメヨコバイの登録がある農薬を用いて防除を行う。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(157)-改正食料・農業・農村基本法(43)-2025年8月30日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(74)【防除学習帖】第313回2025年8月30日
-
農薬の正しい使い方(47)【今さら聞けない営農情報】第313回2025年8月30日
-
【現地ルポ JA兵庫南・稲美CE】集荷推進 安定供給の要に おいしく、安全管理心掛け(1)2025年8月29日
-
【現地ルポ JA兵庫南・稲美CE】集荷推進 安定供給の要に おいしく、安全管理心掛け(2)2025年8月29日
-
計画荷受けと適正人員配置を 全国農協カントリーエレベーター協議会 大林茂松会長2025年8月29日
-
【注意報】シロイチモジヨトウ 県内全域で多発に注意 石川県2025年8月29日
-
【注意報】ピーマンに斑点病 県内全域で多発のおそれ 大分県2025年8月29日
-
【注意報】ハスモンヨトウの誘殺数が急増 早期防除の徹底を 福島県2025年8月29日
-
【注意報】ハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 長野県2025年8月29日
-
【注意報】シロイチモジヨトウ 県内全域で多発のおそれ 栃木県2025年8月29日
-
米価下落時 備蓄米買い入れ 機動的に JA全中が要請2025年8月29日
-
概算金なぜ上がる 7月末に状況一変 不透明感、農水省にも問題2025年8月29日
-
米流通対策官を設置 来年度要求 農水省2025年8月29日
-
(450)冷蔵庫の先にある発電所【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年8月29日
-
シャリシャリ食感とあふれ出す甘さ 鳥取県産梨「新甘泉フェア」29日から JA全農2025年8月29日
-
JA全農Aコープ 短期出店支援プラットフォーム「ショップカウンター」導入2025年8月29日
-
資材店舗ディスプレイコンテスト開催 最優秀賞はJA阿蘇小国郷中央支所 JA熊本経済連2025年8月29日
-
毎月29日は「肉の日限定セール」おかやま和牛肉など約230商品が特別価格 JAタウン2025年8月29日
-
最新食品研究成果を一挙に「農研機構 食品研究成果展示会2025」開催2025年8月29日