北海道大学と三菱総研DCSが共同研究 稲の生育状況の指標化へ取り組み開始2022年12月22日
北海道大学と三菱総研DCSは、稲の育成段階を表現する新たな指標を策定するため、11月からスペクトルデータの解析を開始。両者は2021年10月から、スマート農業に関する産学共同研究を行っている。
反射スペクトル計測は、専用の分光器の視野に入射する、植生などの反射光(紫外・可視・赤外など)の波長ごとの強度を、広い波長域で同時に精密測定する技術。この情報を分析することで撮影対象の生育段階や病害虫などの被害状況を推定できる。
共同研究では、北海道大学が独自開発した分光器を用いて北海道の稲圃場でデータを取得し、そのデータをDCSがAI技術等を活用して解析。その結果を踏まえ、稲の育成状況を推定するために有効な波長を特定し、計測時の光の入射および測定器の角度および天候といった条件がその推定に及ぼす影響の評価するなどの研究テーマに共同で取り組んでいる。
北海道大学では、農業分野を中心とした様々な課題を解決するため、超小型衛星やドローンを用いて詳細なスペクトルを測定・解析する研究を進めている。その一環として、北海道大学は独自に開発した低価格な小型分光器を用いて、数10種類の農作物について、スペクトルデータを収集および解析。スペクトルデータを活用するには、専門知識と高度な解析技術が必要となるが、DCSは累計50社以上でのデータ分析業務支援を活かしたデータ解析・AI技術のノウハウを活かして、データ解析の面から研究に参画してきた。
ある農作物の病害虫発生有無を検出する等、特定の目的でスペクトル情報を活用する場合、どの波長(あるいは、波長の組み合わせ)がその目的に最も有効かがわかれば、必要最小限の波長のみで高精度測定することで、高い判別能力を保ちながらコストを抑えられる。北海道大学では、独自に開発した手持ちサイズの小型分光器で、多様な植物種の様々な状態および太陽入射・計測角度ごとのスペクトルデータをアーカイブした「スペクトルライブラリ」を構築し、目的に応じた有効な波長を抽出する作業に取り組んでいる。
北海道大学の農業におけるスペクトル計測の専門知識や研究ノウハウと、DCSのデータ解析の強みを組み合わせることで、「スペクトルライブラリ」の充実を図る。また、それを活かした多様な植物の生育状況や病害虫被害の把握のための実装を容易にし、国内の農業の様々な課題の解決を目指す。
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