サツマイモ基腐病に対する「蒸熱処理による種イモ消毒技術」標準作業手順書を公開 農研機構2023年11月15日
農研機構は11月14日、「サツマイモ基腐病に対する蒸熱処理による種イモ消毒技術標準作業手順書」を公開した。
サツマイモ基腐病は、サツマイモの茎葉の枯死および塊根の腐敗を引き起こす病害で、一部の産地に深刻な被害をもたらしている。日本国内では2018年に初めて発生し、9月末時点で33都道府県において発生が確認されている。
基腐病は感染した種苗や罹病残さの移動により発生域が拡がるため、これらの感染源とともに基腐病の病原菌をほ場に「持ち込まない」、「増やさない」、「残さない」ことが重要。「持ち込まない」対策の一つとして、基腐病の病原菌に感染した種イモを使わないことが挙げられるが、外見上は健全でも基腐病の病原菌に潜在感染している種イモが紛れ込んでいることがあるため、その対策が求められていた。
そこで、農研機構は、相対湿度95%、48℃の気流を用いる蒸熱処理により、萌芽への悪影響がなく、基腐病の病原菌に潜在感染した種イモを消毒する処理条件を明らかにした。この処理条件を用いた蒸熱処理は、すでに生産現場で行われ、今年度のサツマイモ栽培に生かされている。
同SOPは、基腐病の病原菌をほ場に「持ち込まない」対策として農業指導者および生産者の皆様が種イモ蒸熱処理技術への理解を深め、現場において適切に実施できるよう、種イモの収穫から苗床への伏せ込みまでの一連の作業の重要ポイントを取りまとめている。
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