コメ中無機ヒ素の簡易・安価な定量法をアップデート 標準作業手順書を公開 農研機構2024年2月21日
農研機構は2月20日、コメ(精米および玄米)中の無機ヒ素を従来の機器分析に比べて簡易、安価に定量するための標準作業手順書を公開。コメの生産、加工、輸出に関わる事業者による自主検査に利用できるほか、農業試験研究機関等によるコメ中無機ヒ素を低減する栽培技術や品種、資材の効果の検証に利用できる。
標準作業手順書 表紙
農研機構は、2019年にコメ中無機ヒ素の簡易分析法を開発し技術マニュアルとして公開したが、このほどマニュアルを一部改良。より詳細に手順を示した「コメ中無機ヒ素の簡易分析標準作業手順書」を公開した。
コメ中無機ヒ素の分析には、高価で高度な測定機器と熟練した分析技術者を要するが、同手順書に沿って作業を進めれば、従来法より簡易、安価に分析が可能。1検体あたりの分析費用は100円程度で、機器分析を自身で実施する場合の1/5以下、民間の分析会社へ依頼する場合の1/100以下となる。実態把握等では同手順書を使い、国際基準値や輸出先国の基準値に近い値が出た場合は国際的に認められた機器分析法や輸出先国が定める分析法で確認することで、経済的、低労力的、効率的にコメ中無機ヒ素の分析できる。
主な手順は、コメ(精米および玄米)粉末から無機ヒ素を抽出し、抽出液中の無機ヒ素をガス状の無機ヒ素とする。円形ろ紙に塗布しておいた硝酸銀とガス状の無機ヒ素が反応すると、無機ヒ素の量に応じて無色から黄褐色に変化。その色をスキャナーで読み取り、色見本から作成した検量線を用いて無機ヒ素濃度を定量する。
同手順書は、生産、加工、輸出業者による自主検査や農業試験研究機関等によるコメ中ヒ素の低減対策効果の検証、実態把握等での活用が期待される。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】水稲の斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 山口県2025年7月8日
-
なぜ米がないのか? なぜ誰も怒らないのか? 令和の米騒動を考える2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【立憲民主党】「食農支払」で農地と農業者を守る 野田佳彦代表2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【自由民主党】別枠予算で農業を成長産業に 宮下一郎総合農林政策調査会長2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【日本共産党】価格保障・所得補償で家族農業守る 田村貴昭衆議院議員2025年7月8日
-
2025参院選 各党に聞く「米・農政・JA」 【れいわ新選組】農業予算倍増で所得補償・備蓄増を やはた愛議員2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】集落と農地 地域の要 営農事業部門・広島市農協組合長、広島県農協中央会会長 吉川清二氏2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】若者を育てる農協に 営農事業部門・北海道農協中央会前会長、常呂町農協前会長 小野寺俊幸氏2025年7月8日
-
小泉農相 随契米放出に「政策効果」 市場落ち着けば備蓄水準戻す2025年7月8日
-
トランプ政権の移民摘発 収穫できず腐る野菜「農家に大きな打撃」2025年7月8日
-
【第46回農協人文化賞】常に農協、農家のため 営農事業部門・全農鳥取県本部上席主管 尾崎博章氏2025年7月8日
-
150年間受渡し不履行がなかった堂島米市場【熊野孝文・米マーケット情報】2025年7月8日
-
2025参院選・各党の農政公約まとめ2025年7月8日
-
米価 6週連続低下 3600円台に2025年7月8日
-
【JA人事】JA秋田しんせい(秋田県)佐藤茂良組合長を再任(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JA北九(福岡県) 新組合長に織田孝文氏(6月27日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAかながわ西湘(神奈川県)天野信一組合長を再任(6月26日)2025年7月8日
-
【JA人事】JAえひめ中央(愛媛県)新理事長に武市佳久氏(6月24日)2025年7月8日
-
宇都宮市に刈払機を寄贈 みずほの自然の森公園へ感謝と地域貢献の一環 JA全農とちぎ2025年7月8日
-
岡山の農業を楽しく学ぶ 夏休み特別企画「食の学校2025」 JA全農おかやま2025年7月8日