【注意報】さとうきびにメイチュウ類 先島諸島、南大東島で多発のおそれ 沖縄県2025年2月7日
沖縄県病害虫防除技術センターは、さとうきびにメイチュウ類(カンシャシンクイハマキ、イネヨトウ)が先島諸島、南大東島で多発のおそれがあるとして、2月3日に令和6年度病害虫発生予察注意報第7号を発表した。
沖縄県病害虫防除技術センターによると1月中旬、宮古島市において新植夏植えほ場20地点で芯枯茎調査を実施した結果、芯枯茎率は14.8%だった(図1左)。この値は、平年値よりやや高い「並」の水準だが、国が定める発生予察調査実施基準における発生程度別基準では「多」に該当する値で、発生ほ場率は100%だった。芯枯茎の切開調査の結果、確認されたメイチュウ類幼虫は計74頭で、その内訳は、カンシャシンクイハマキが67.6%、イネヨトウが32.4%だった。
図1:メイチュウ類(芯枯茎率)の発生推移 宮古島市(左)、石垣市(右)
1月上旬、石垣市で新植夏植えほ場12地点で芯枯茎調査を実施した結果、芯枯茎率は11.7%(図1右)。この値は、平年値よりやや高い「並」の水準だが、国が定める発生予察調査実施基準における発生程度別基準では「多」に該当する値で、発生ほ場率は100%だった。芯枯茎の切開調査の結果、確認されたメイチュウ類幼虫は計30頭で、その内訳は、イネヨトウが96.7%、カンシャシンクイハマキが3.3%だった。
1月下旬に、南大東において新植夏植え及び株出しほ場10地点で芯枯茎調査を実施した結果、芯枯茎率は23.3%。この値は国が定める発生予察調査実施基準における発生程度別基準では「甚」に該当する値で、発生ほ場率は100%だった。確認されたメイチュウ類はカンシャシンクイハマキとイネヨトウ。
発生生態および被害
図2:芯枯れの様子(多発圃場)と図3:芯枯れ茎(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
(1)メイチュウ類共通
・被害ほ場およびイネ科雑草が発生源となり、ほ場に侵入する。
・ふ化幼虫は葉鞘の内側を下降して節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害して芯枯れ(図2、3)を起こす。
図4:カンシャシンクイハマキ幼虫(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
(2)カンシャシンクイハマキ(図4)
・沖縄では年6~7世代を重ね、周年発生する。
・卵は葉や茎に1~数卵ずつ産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は200~500卵に達する。
・被害はほ場内に散在的に発生する。
図5:イネヨトウ幼虫(提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
(3)イネヨトウ(図5)
・沖縄では年5~7世代を重ね、周年発生する。
・卵は葉鞘の裏側に卵塊で産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は400~700卵に達する。
・初期被害はほ場周縁部で見られ、ほ場内でスポット状や畝に沿って被害が拡大する。被害が集中的に起こるため、生育初期に加害されると坪枯れを起こすこともある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)ほ場および周辺の除草を徹底する。
(2)培土時に土壌害虫の防除を兼ねた薬剤(粒剤)を施用する。
(3)茎葉への水和剤等の散布は、葉鞘内に薬液が十分に行き届くように丁寧に散布する。MEP単独成分
の剤は感受性低下の報告があるため、他の剤を中心に散布する。
(4)薬剤防除後、2~3週間をおいて再度防除を行うことで防除効果が高まる。
(5)被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う。
※農薬の使用にあたっては、ラベルをよく読み、登録内容を確認して正しく使用する。
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