農業用アジュバントの市場規模 2026年に53億米ドル到達予測2022年8月12日
グローバルインフォメーションは8月5日、市場調査レポート「農業用アジュバントの世界市場(2022年)」(The Business Research Company)の販売を開始した。
同レポートによると、農業用アジュバントの市場規模は、2021年の33億8000万米ドルから年平均成長率(CAGR)8.8%で成長。2022年に36億8000万米ドルとし、さらに2026年には53億米ドルに達すると予測されている。
農業用アジュバント市場は、害虫を駆除し農薬の反応を高めるための化学薬品や、事業体(組織、個人事業者、パートナーシップ)による農業用アジュバントの販売で構成されている。農業用アジュバントは、農薬製品の物理化学的性質を変え、効力を向上させるために添加される水以外の物質のことで、化学肥料の活性または散布特性を変更するため、製剤や散布タンクに加える添加物。その利点として、混合および取扱いの改善、噴霧保持、液滴の乾燥および液滴被覆の増加、除草剤のクチクラ浸透および細胞蓄積の後押し、および土壌プロファイルを通じた除草剤の溶出の低下などがある。
農業用アジュバントには、主に活性化アジュバント、オイルアジュバント、有用性アジュバント、界面活性剤がある。活性化アジュバントは、農薬の活性を高めるために添加される化学物質で、多くの場合、吸収を促進し、葉の表面張力を低下させることにより活性を高める。アジュバントのさまざまな製剤には、懸濁濃縮剤と乳化濃縮剤があり、穀物や穀類、油糧種子や豆類、果物や野菜などの作物に、除草剤、殺虫剤、殺菌剤などとして利用されている。2021年は、北米が最大市場となり、アジア太平洋市場は、今後最も急速に成長する地域と推測される。
農薬の需要増が農業用アジュバント市場の成長を促進。農薬は、農業に使用される肥料、植物成長ホルモンなどから構成される化学製品で、農業用アジュバントとは、農薬の効果を高める補助剤のこと。世界の農薬の使用量は、2019年の200万トンから、2020年には350万トンに増加した。農薬の需要増が農業用アジュバント市場の成長を後押ししている。
技術進歩は、農業用アジュバント市場における重要な傾向。例えば、2020年にドイツの多国籍化学企業であるBASFは、2021年にSentris緩衝技術の発売を発表した。Sentrisは液体の緩衝剤で、ジカンバ散布液に添加すると、溶液のpHを上昇させ安定させるとともに揮発を低下させる。また、散布システムの洗浄と衛生管理を支援することで、タンク汚染の可能性を低減することが実証されている。
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