スマート農業に関する調査 2023年度国内市場規模見込みは322億円 矢野経済研究所2023年11月24日
矢野経済研究所は、国内におけるスマート農業市場に関する調査を実施。市場規模、参入企業の動向と将来展望を明らかにした。調査は5月から10月にかけて、スマート農業参入事業者、農業生産法人(水稲、野菜・果樹・花き)、関連団体・協会、管轄官庁等を対象に実施。
同調査によると、2023年度のスマート農業の国内市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比106.7%の322億9900万円の見込み。
ガスの排出削減・吸収量をカーボン・クレジットとして認証する「J-クレジット」制度において、水田からのメタンガスの排出量を減少する「水稲栽培による中干し期間の延長」が新たな方法論として2023年3月に承認された。今後、クレジット活用による、温室効果ガス削減の活性化に期待がかかる。
また、「J-クレジット」制度において、温室効果ガス削減効果を数値化するスマート農業技術が普及すると見られる。従来の計測方法では、CO2削減の根拠となる数値を導き出すのが難しいことや、リアルタイム性が低いなどの課題があった。一方、スマート農業技術を利用することでCO2吸収量をリアルタイムに可視化できるため、スマート農業技術は、実態がないにもかかわらず虚偽のデータを提示し、環境に配慮していると見せる"グリーンウォッシュ対策"にもつながる。
将来展望
2029年度のスマート農業の国内市場規模は708億8000万円まで拡大すると予測。ICTメーカーと農機・農業関連資材メーカーが連携し、様々なデータを共有・活用できる「農業データ連携基盤(WAGRI)」「農機オープンAPI」に加え、生産から川中(流通・加工)、川下(小売・販売)まで連動したスマートフードチェーンプラットフォーム「ukabis(ウカビス)」の運用が始まり、トレーサビリティによる安全性確保や需給マッチング、フードロス削減などの効果が期待される。今後はより一層のデータ共有化・連携が進むと見られる。
さらに5Gによる通信環境の整備や準天頂衛星システム11基体制化などから、高精度の画像・測位情報が入手できる環境になるため、栽培支援、ロボット農機・リモートセンシングなど精密農業等、スマート農業全般がますます普及拡大する見通し。
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