国産加工用トマトの確保で業務連携協定 生活クラブ2020年2月17日
生活クラブ事業連合生協連合会(生活クラブ)は、(有)丸エビ倶楽部、コーミ(株)、日本デルモンテ(株)と加工用トマトの生産・加工・製品化事業について持続的な事業継続を目指し、基本的な合意内容を「加工用トマト並びにトマトピューレの取り扱いに関する業務連携協定書」として2月10日に協定書締結調印を行った。
左から、(有)丸エビ倶楽部代表海老沢衛氏、コーミ(株)社長川澄亮太氏、
日本デルモンテ(株)専務牛込伸一氏、
生活クラブ連合会会長加藤好一氏、同消費委員長大久保明美氏
生活クラブのトマトケチャップは、1ビンに国産トマト約12個分をピューレにして使っており、トマトの旨みや風味が味わえるとして人気の品物のひとつとなっている。
ところがここ数年の異常気象や、トマトの生産農家の高齢化が進んだことなどから国産の加工用トマトの生産量が落ち込んでおり、生活クラブでは、2019年度は5月から20年1月まで国産トマトを原料にしたトマトケチャップの共同購入をストップせざるを得ない事態に至ってしまった。
このため生活クラブでは、2020年度の新たな取り組みとして、安定的で継続性のある加工用トマトの生産の確保に向けて関係者が常に協力関係を継続することを約束しあう「加工用トマト並びにトマトピューレの取り扱いに関する業務連携協定書」を4者で締結した。
この協定は次の4つを内容とする連携である(図参照)。
「加工用トマトの取り扱いに関する業務連携協定」における4者の役割
▽ソース、ケチャップなど調味食品の製造販売などを行う食品メーカーのコーミ(株)と経営面積約200haで野菜を生産する農業生産者団体(有)丸エビ倶楽部による加工用トマトの契約栽培
▽コーミ(株)とトマト加工品などの開発、製造や加工用トマトの種子開発などを行う総合的な農産加工メーカーである日本デルモンテ(株)による原料トマトの供給とピューレ加工、ピューレ買い取りと国産加工用トマトの生産拡大を包括した業務連携
▽コーミ(株)と生活クラブによるトマト製品の基本取引
▽生活クラブと(有)丸エビ倶楽部との加工用トマト用コンバイン(収穫機)、搬送車の貸与に伴う賃貸と保管管理
生活クラブから(有)丸エビ倶楽部に貸与される加工用トマト収穫機
写真は同種の機械による収穫風景。
2月10日に行われら業務連携協定書調印式で、生活クラブ連合会の加藤好一会長は、「今後は、4者が加工用トマトとその加工品の生産と供給が安定して行われるよう、相互に協力していくことで、国産自給力のアップを推進していく」と述べた。また、加工用トマトの収穫機による「収穫作業の合理化の検証、他の産地での活用を検討するとともに関係者が協力して課題の解決に取り組み、国産加工用トマトの振興を図るために『(仮称)生活クラブ加工用トマト振興協議会』を設置する」と語った。この協議会には、今回の連携協定書を締結した4者に、生活クラブと提携生産者が共同で設立した販売会社の生活クラブ・スピリッツ(株)を加えた、合計5者が参画する。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(150)-改正食料・農業・農村基本法(36)-2025年7月12日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(67)【防除学習帖】第306回2025年7月12日
-
農薬の正しい使い方(40)【今さら聞けない営農情報】第306回2025年7月12日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 茨城県2025年7月11日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 新潟県2025年7月11日
-
【注意報】果樹に大型カメムシ類 果実被害多発のおそれ 北海道2025年7月11日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 福島県2025年7月11日
-
【注意報】おうとう褐色せん孔病 県下全域で多発のおそれ 山形県2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】出会いの大切さ確信 共済事業部門・全国共済農協連静岡県本部会長 鈴木政成氏2025年7月11日
-
【第46回農協人文化賞】農協運動 LAが原点 共済事業部門・千葉県・山武郡市農協常務 鈴木憲氏2025年7月11日
-
政府備蓄米 全農の出荷済数量 80%2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA加賀(石川) 道田肇氏(6/21就任) ふるさとの食と農を守る2025年7月11日
-
【'25新組合長に聞く】JA新みやぎ(宮城) 小野寺克己氏(6/27就任) 米価急落防ぐのは国の責任2025年7月11日
-
(443)矛盾撞着:ローカル食材のグローバル・ブランディング【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月11日
-
【2025国際協同組合年】協同組合の父 賀川豊彦とSDGs 連続シンポ第4回第二部2025年7月11日
-
米で5年間の事前契約を導入したJA常総ひかり 令和7年産米の10%強、集荷も前年比10%増に JA全農が視察会2025年7月11日
-
旬の味求め メロン直売所大盛況 JA鶴岡2025年7月11日
-
腐植酸苦土肥料「アヅミン」、JAタウンで家庭菜園向け小袋サイズを販売開始 デンカ2025年7月11日
-
農業・漁業の人手不足解消へ 夏休み「一次産業 おてつたび特集」開始2025年7月11日
-
政府備蓄米 全国のホームセンター「ムサシ」「ビバホーム」で12日から販売開始2025年7月11日