「安心」よりも「価格」 消費者の食品購入理由 単身者の「フルーツ離れ」も JCAの消費動向調査2020年3月16日
日本協同組合連携機構(JCA)は3月12日、農畜産物等の消費行動に関する調査結果を発表した。それによると、既婚者や若年層を中心に農畜産物(食品)購入の際の判断が変わりつつあることが分かった。「価格の安さ」の割合が高まり、「国産」や「鮮度」など、その他の関心が薄れている。
旬・鮮度へのこだわり後退か
食生活全般では、既婚・単身・年齢を問わず、「食事のおいしさ」に最も関心が高いが、若年層は「食費削減」、中高年齢層は「健康」にも高い関心を示し、多様化している。また米を主食とする食事の回数は、朝・昼・夜とも減少傾向にある。
米でみると、購入の際に100円以内の価格変動であれば、値上げ・値下げのいずれであっても「ランク・質ともに変わらない」との回答が多いが、「値下げ」に比べ、「値上げ」の方が「変える」の比率が高くなる傾向がみられる。
1週間の炊飯回数は7回が最も多く、炊き方の決め手は「品種」「精米してからの期間」「炊飯する器具」「炊きたて」の順で多かった。主に購入する品種は「コシヒカリ」が群を抜き、「今後食べたい品種」では6割近い。
全体に果物を食べない傾向が強まっており、特に単身男性の摂取頻度は、他の属性より低く、〝フルーツ離れ〟の傾向が見られる。購入回数をみると、全体で「毎日」(「ほぼ毎日」+「ほぼ毎食」)食べる人が23.8%。「週に1回」が32.2%の半面、「週に1日未満・食べない」との回答も38.5%あった。特に単身男性は「週に1日」が32.2%と最も多い。

野菜は「毎日」食べる人が56.0%だったが、「週に1日未満・食べない」人も16.6%あった。購入時に最も重視するのは野菜・果物ともに、既婚者が「鮮度がよいこと」が最も高かったのに対して、単身者は「販売単価が安いこと」が最も高かった。
この傾向は野菜・果物とも数年続いており、「週に1日未満・食べない」人は、単身者で野菜が25.3%。果物では61.1%に達し、いずれも2016年以降で最も高くなっている。

野菜購入時の国産・外国産の選択は「主に国産」が61.8%と高く、「主に外国産」は1.5%だった。その理由は、国産が「安心」、外国産が「安い」・「外国産にしかない」が高い。果物も「主に国産」が70.2%で、「主に外国産」は4.5%だった。
野菜・果物とも、「国産」の選択理由で「日本の農業を守りたいから」が3位につけている。特に野菜では全体で11.4%が「日本の農業を守りたい」と回答しており、特に女性が多い。
単身男性は野菜で「国産が安心だから」購入する人が68.5%でトップだが、全体の83.3%を15ポイント下回り、果物では「外国産が安いから」購入がトップの63.8%で、全体の59.4%を4ポイント近く上回っている。
単身男性は果物でも選択理由のトップ「国産が安心」が全体の76.2%に対して62.4%、同じく外国産選択理由2位の「外国産が安いから」が、全体の42.7%に対して51.3%と、際立った特徴をみせている。
このほか、畜産物では「牛乳(成分無調整)」が「好きな方」が全体で62.0%を占め、他の乳性飲料より高い。肉類購入時の国産・外国産の選択では「主に国産」が牛肉で52.0%、豚肉で64.1%、鶏肉で50.1%だったが、2016年から特に牛肉と豚肉で減少傾向にある。
なおこの調査は昨年の9月に、インターネットリサーチで全国の男女2108人を対象に実施した。
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