水で日本の農業が変わる (株)カクイチ2017年2月10日
撒くだけで変わる?革新的農業技術
小さな泡で農家とともに新しい未来を拓く
◆泡を作る機械を開発
ナノバブルを1ミリリットルあたり、約10億個作ることが出来る装置、「ファーマーズウォーターe-sodachi」を株式会社カクイチが開発した。
鉄骨のガレージや農業機械などを収納する倉庫、その屋根を活用した太陽光パートナー事業や農業用散水ホースなど多彩な事業でトップシェアを持ち全国のJAや生産者から信頼されている。「日本を農業で元気に!」を掲げ事業展開している(株)カクイチが、日本の農業が変わろうとしている今、新たに事業を立ち上げる。
◆「ナノバブル」とは何か
直径が1ミリメートルの1000分の1(1マイクロメートル)以下の気泡のことで、小さすぎて人の目で見ることはできない。通常の気泡は水中を上昇し水面で弾けるのに、ナノバブルは「ブラウン運動」と呼ばれる動きで水中に漂い、数カ月は水中に留まる。さらにナノバブルは、マイナスに帯電していること、気泡の中には非常に高圧な内圧を持っていることなどから、さまざまな効果を発揮するので、多くの分野で活用できる可能性を持ち注目されている。
農業分野でも、気体を酸素にしたナノバブルでは水中の溶存酸素量が増えるので、植物が根から酸素を多く取り込むことができ、成長の促進などが期待できる。また、二酸化炭素のナノバブルを植物の葉に散布することで、光合成を促進することも可能だ。
普段何気なく使っている農業用水や井戸水・水道水をナノバブルで、作物にとって、より好ましい水に変えることが可能だということだ。
◆トマト・イチゴ・レタス等で成果
すでに昨年10月に千葉の幕張メッセで開催された「農業ワールド2016」の「次世代農業EXPO」に出展し、ナノバブルを活用した農作物栽培の共同実験を行うパートナーを100名募ったところ、定員を超える応募があり、その半数以上の農場ですでに実際の栽培が行われている。
共同実験しているのは施設(ハウス)栽培が7割で、作物としてはトマト、イチゴ、キュウリなどの果菜類、リーフレタスなどの葉菜類やシクラメン、トルコギキョウ、洋蘭などの花き、そしてキノコ類が多い。
こうした施設栽培では、すでに栽培・収穫が行われおり、酸素ナノバブルによる脱窒素効果で、レタスの「チップバーン」(葉枯病)が大幅に減少したり、苦みが軽減して食感が向上する。月にたった2回の散布でナスやピーマンの収量が増えたなど、概ね良好な結果データが集積され始めている。さらにこの3月以降は、ハクサイなど露地栽培の定植が始まることになっているというように順調に進んでいる。
◆メロンなどリスクの大きい作物に広げたい
だが、カクイチではこれまでの作物は、作期が短いとか収穫量が多い作物が中心となっており、摘花して最終的には1本から1個しか収穫しないが失敗した時にリスクが大きいメロンやスイカとか、3年はかかるといわれているコンニャク芋、逆に作期が10日から14日というカイワレのような作物の知見データを集積し、さらに多くの農作物に広げたいと考えている。
そこで改めて、カクイチとパートナーシップを組み、リスクが大きいかもしれないメロンなどの果菜、栽培が数年にわたるコンニャク芋や果樹、極端に作期が短いカイワレなどで、ナノバブルを活用して、高品質で付加価値の高い農産物栽培に挑戦してみたいという、積極的で研究熱心な生産者を探している。
◆新しい農業を創っていく チャレンジャーを
カクイチが求めているのは「自分のこれからの農業をどうするか」を真剣に考え、カクイチが言う「ナノバブルで水を変えることで、作物にとって本当に良い水を一緒に探りませんか」という提案に賛同し、多少のリスクを負ってでも、一緒になって新しい技術に挑戦してくれる農家さんだ。
夢は大きく、志は高く、未来の農業を一緒に創っていくパートナー1000件と、年内に手を組むことを目標にしている。
カクイチでは、当面この装置を無償提供し成果が出た段階でレンタル料金をもらう仕組みにしたいという。さらにe-sodachiを使っている農家が情報交換できる場として、現在は主に倉庫を展示している全国100箇所のショールームを、農家が情報交換できる場所へ、順次リニューアルしていく予定だ。
日本の農業のために挑戦してみようという人は下記にすぐ連絡を!
【連絡先】
(株)カクイチ東京本部(アクアソリューション事業部)
電話:0120-32-7109(フリーコール、土日祝除く)
(写真)ナノバブルの効果
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(149)-改正食料・農業・農村基本法(35)-2025年7月5日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(66)【防除学習帖】第305回2025年7月5日
-
農薬の正しい使い方(39)【今さら聞けない営農情報】第305回2025年7月5日
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日