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【リレー談話室・JAの現場から】未熟なJAの報道対応2017年9月18日

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【川又啓蔵・JAふくしま未来 組合員総代(そうま地区)】

 茨城・栃木両県のAMラジオ局でパーソナリティーを務め、通算で約5年間、北関東各地から、農林水産物の「旬」を中継する番組を担当している。通常、夏の北関東は「旬の宝庫」状態でネタに困らないが、今夏、例年通りとはいかず、中継(取材)対象の変更を含め「ネタ探し」には苦労した。

◆放送取材の現場から

 最近の天候不順と農作物への影響について、日頃、農業問題に関心を示さないテレビのワイドショーですら大きな話題として取り上げている。その中身をみると、おおむね、産地・生産者の被害や窮状など「農業側」の情報はわずかで、大都市にあるマスコミ慣れしたスーパーで、「高値」が目立つ売場の様子や、名物店主(社長)と客(主に主婦)が「高値で困る」というインタビューが連発され、気が付けば、気象予報士が司会者らと今後の天気について面白おかしく伝えている。なぜ、「農業側」について多く触れられないのか。

 

◆取材しづらいJA

 マスコミの世界では、農業は「取材しづらい分野」の一つといわれている。専門メディアを除いて、一般メディアの多くは農業者と直接のチャンネルを持たないため、まず、行政か農協への接触となる。
 農協への取材は、まず、本店の総務などに接触するが、「たらい回し」に遭うこともある。合併で組織は「地域の大企業並み」になっているが、そうした企業と比較して、反応や返事が遅い(無い)。また、対応し担当部署に引き継いだ後は「本店ノータッチ」というのが普通だ。
 担当部署に繋がれても、担当者の「感覚」で明暗が分かれる。旬の時期、忙しいのは当然だが、それが取材を断る「立派な理由」になったり、生産者や部会に繋いだ後は「担当者ノータッチ」だったりもザラだ。「当組合は違う」と不快に感じる場合は「正常な組織」である証拠だろう。
 不祥事取材ならまだしも、「良いアピール」に繋がる可能性となり得るマスコミ(取材)対応に、なぜ消極的なのか不思議だと感じている。私が担当する数十分の生中継に、本番への立会いを含め、本店の広報担当や販売(戦略)担当がノータッチというのは、常識的な民間企業のマスコミ対応であれば、絶対に考えられないことである。
 ワイドショーなど情報番組の場合、放送前週~前日の数日間で、取材から編集まで済ませることが多い。特にテレビの場合、内容の重要性より「インパクトのある状況を撮影できるか」(業界では「いい絵が撮れるか」などという)となるため、取材への反応が悪く「いい絵が撮れる」かどうか分からない農業側への取材は遠のき、最近では、制作費削減も重なり、「安・近・短」と都会での取材で完結させる傾向がより強くなっている。
 昨年、北海道の台風災害でジャガイモに大きな被害が出た。「ポテチ・ショック」と呼ばれ消費者にインパクトを与え、現在でも、「北海道 じゃがいも」というキーワードでインターネット検索をすれば、結果上位は、ポテトチップスの製造中止や再開の話題だ。そして、それらのニュースソースは、菓子メーカーや流通のプレスリリースか、「ポテチ・ファン」と呼ばれる愛好者的な消費者からのブログ等である。一方、産地や生産者の被害や窮状、復旧・復興に関する情報などは、ほとんど見当たらない。
 約1年前、このコラムに「消費者を味方に」と題して寄稿したが、マスコミやインターネットをみる限り、今夏の天候不順による農作物への影響や昨年のジャガイモ被害とも、農業側が「消費者を味方に付ける情報戦略」を進めているとは感じられない。

 

◆情報戦略の樹立を

 農協改革(解体)の中、直販体制の強化や地域協同組合化など、「より消費者に近づく」ことを趣旨とした目標を掲げている。マスコミやインターネットは、多くの消費者(世間)にとって最も身近な情報プラットホームの一つとなっているが、そうした目標を達成するためにも、農協組織として、日常的に情報戦略を展開できる仕組みが必要なのではないか。

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