「売れるもの、マーケット・インへの転換 コメの例」2018年2月16日
生鮮と加工向けの生産と販売、農産物のマーケティングでは「作ったものを売る プロダクト・アウト」の時代から「売れるものを作る マーケット・イン」への転換か必要となった。売れるものとは何か、であるが"消費者の求めるもの"というのは理屈であって現実はTVのコマーシャルやスーパーマーケットなどの量販店の販売戦略で作られている。売り上げと利益をにらんでPOSデータの分析により「売れるもの」は猫の目のように短期間で変わっている。
コメや野菜、果実、畜産物は新しい品種を入れて商品として出荷をするまでに時間がかかる。一番早く生産から出荷の対応ができる野菜でも産地の土地、気候に合った新品種を選定して種子を手に入れ出荷をするまでには最短でも1年はかかる。果実は桃栗三年といわれるように3~5年かかる。コメも同様に主産地として銘柄で取引ができるのには時間がかかる。
農産物、畜産物もマーケット・インの方式に合わせた生産、出荷をしなくてはならないが、猫の目の需要に合わせた生産から出荷までの時間差、タイム・ラグがネックである。農家が努力をしてようやく出荷ができる時には需要の方が別の品に代わっているということが起きる。
コメのように需要の変化の少ない商品でも家庭用の消費量が減り、中食、外食などの業務用の需要が増えるという大きな変化が起きている。同じコメでも家庭用と業務用では商品としてみるとそれぞれに適した品種、流通方法、価格などは別の商品としての対応が必要となる。輸入との競争もある。
業務用の原料としてのコメはメーカーの製造計画に合わせた数量、納期を約束通り納品をすることでメーカーもコストを下げる合理化ができる。農家も買ってくれる数量が決まればそれに合わせた栽培、保管、出荷のコストを下げる工夫ができる。このように買い手と売り手の双方のメリットとなる価格や取引条件を協議して決めることができる。これを農協の組織が営農指導から物流を含めてサポートをする。さらに、農協は生活事業でこのメーカーの製品の販売に協力をする方法もある。
「農協の自己改革」とはこのような対応をすることである。
(関連記事)
・おにぎり1個の生産コスト 1円上昇で1800万円減収(18.02.13)
・中食・外食に大きな米消費拡大の可能性【藤尾益雄(株)神明代表取締役社長】(18.02.06)
・(068)中国の牛乳・乳製品マーケットをめぐる競争(18.02.02)
・【JA全農輸出対策部上野一彦部長に聞く】米の輸出は業務用がターゲット マーケットインで産地づくりを(18.01.31)
・【座談会・「食」の発信 私たちから―全農直販グループ】取引先ニーズを正確に産地に マーケットイン型事業を実践(18.01.26)
・30年産米の都道府県方針一覧表作成へ 農水省(18.01.10)
重要な記事
最新の記事
-
会長に中嶋康博氏を選任 食料・農業・農村政策審議会2025年10月29日 -
10月31日に食糧部会 新委員で審議 農水省2025年10月29日 -
長良川流域文化の資源を活用 世代継承できる地域づくりに学ぶ【JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト】(1)2025年10月29日 -
長良川流域文化の資源を活用 世代継承できる地域づくりに学ぶ【JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト】(2)2025年10月29日 -
トラへの媚びよりクマ退治【小松泰信・地方の眼力】2025年10月29日 -
1人当たり精米消費量、前年同月マイナス7ヵ月に 高値が影響か 米穀機構2025年10月29日 -
GREEN×EXPO 2027開催まで500日 出展概要・大型協賛を公表 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月29日 -
「出張!値段のないスーパーマーケット」大阪・梅田に開店 農水省2025年10月29日 -
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」青森県で開催 JA全農2025年10月29日 -
岩手県新ブランド米「白銀のひかり」デビュー ロゴマークを初披露 JA全農いわて2025年10月29日 -
茶畑ソーラー営農型太陽光発電でバーチャルPPA契約 JA三井エナジーソリューションズ2025年10月29日 -
基腐病に強い赤紫肉色のサツマイモ新品種「さくらほのか」を育成 農研機構2025年10月29日 -
サツマイモ基腐病に強い 沖縄向け青果用紅いも新品種「Hai-Saiすいーと」育成 農研機構2025年10月29日 -
アイガモロボ(IGAM2)環境省の二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金の対象機械に認定 井関農機2025年10月29日 -
2025年度JA熊本県青壮年部大会開催 JA熊本中央会2025年10月29日 -
鳥インフル 米ジョージア州などからの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月29日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月29日 -
SNSで話題 ライスペーパーレシピ本『ケンミンぼうやに教わる ライスペーパーレシピ』発売2025年10月29日 -
2025年度JCSI調査 生命保険部門で「顧客満足度」9度目の1位 CO・OP共済2025年10月29日 -
東京農業大学「第二回スマート農業・ロボティクス研究シンポジウム」開催2025年10月29日


































