【原田 康・目明き千人】時代の流れ2018年7月22日
兼好法師は「徒然草」で「長くとも四十(よそじ)に足らぬほどにて死なむこそ、目安かるべけれ。」と言っている。1350年代である。 現在は、四十はいかにも早いが「後期高齢」とすれば当てはまるのではないか。「敬老」は、休日にするための語である。
"時代の流れ"はいつの時代も予想を超えて速いものであるが、現在は格別だ。大東亜戦争の戦中、戦後の混乱から高度成長を経て現在の姿までを経験した人達にとって、戦争はすべてを壊してしまう、二度と戦争をしない平和な国とするためにそれぞれの立場で努力をしてきた。"時代の流れ"はこれをあざ笑うようなことが起きている。
森友学園の問題はこのよい例だ。学園の用地を8億円以上も安く払い下げたというのは人事権者への役所の忖度で、もちろん論外であるが判りやすいし、責任の追及には世論も応援をする。しかし、これは森友問題の本質ではない。この学園は幼稚園児に教育勅語を暗唱させている。この教育方針に賛同して安部内閣総理大臣の昭恵夫人が名誉校長に就任していた。 ファーストレディが名誉校長となり、旦那の安倍首相の政治的な最大の課題は憲法を変えることを公言している。内閣の支持率は下がっていない。
幼稚園児や小学校の子供には教育勅語は分らないが有り難いお言葉として暗唱した。父兄はこれを承知でこの学校へ入れた。昭和20年8月15日に小学生以上であった人たちは今でも「chin思うに・・・ギョウメイ御璽」を暗唱ができる教育を受けた。
教育勅語が国家総動員の体制にどのような役割を果たしたか。大東亜共栄圏という構想の満州事変から真珠湾・太平洋戦争へと国民が総動員され、これに異議を唱える世論とならなかった精神教育の中心に教育勅語があった。
先日、ある講演会で講師から若手のジャーナリスト男女数人との話し合いの中で、国際的な緊張が高まる中で自衛隊の強化には「徴兵制度」も必要でないかとの意見が出て、反対をする人がいなかったと紹介があった。
増え続ける高齢者の年金と医療費の負担を担がされる世代の人たちには敬老は単に休日の名前であり、スマホをピコピコで世論を作る時代である。"時代の流れ、世代の交代"は兼好法師が指摘の通りとなった。
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