【JCA週報】民主的な話し合いとはなにかー協同組合のガバナンスのあり方を考える2019年4月1日
「JCA週報」は、日本協同組合連携機構(JCA)が、各都道府県での協同組合間連携の事例や連携・SDGsの勉強会などの内容、そして協同組合研究誌「にじ」に掲載された内容紹介や抜粋などの情報を、協同組合について考える資料として発信するコーナーです。
第1回の今回は、「にじ」から「民主的な話し合いとはなにか-協同組合のガバナンスのあり方を考える」です。
協同組合研究誌「にじ」2018年冬号では、特集タイトルとして「民主的な話し合い」と「協同組合のガバナンス」をハイフンで結びました。その意図について、広島大学の小林元助教に解題をお願いしましたが、その抜粋です。
◆協同組合のガバナンス
(略)
協同組合のガバナンスは組合員が主人公であり、組合員の話し合いを前提として組み立てられている。しかし、その実態は如何なるものか。
(略)
高度化、専門化した事業の領域では、専門家ではない組合員の意思が介入する余地は相当に狭くなると言ってよい。また、事業運営を監視するといっても、貸借対照表を見せられても、何のことかわからないというところが組合員の本音でもあろう。
その結果、協同組合のガバナンスは、組合員の「ご意見を伺いました」という形式化が進む。むしろ「ご意見を伺う」ことが組合員の意思反映や参画である、といったところに後退しているのが実態だ。
だから、総会(総代会)議案の説明会は、協同組合の役職員の説明に終始し、総会(総代会)は一部の組合員のガス抜きの場に終わる。そこには「民主的な話し合い」はなく、協同組合のガバナンスは形骸化し、そしてガバナンス自体もシステム化される。
(略)
◆民主的な話し合い
ここにきて、少しずつ「民主的な話し合い」そのものに視点を移しつつある。それがワークショップ型の話し合いや、話し合いを支えるファシリテーションの導入だ。それ自体、1970年代のKJ法や普及事業を出発点としており、必ずしも新しい話ではない。
しかし、単に仕組みや組織といったシステムの話から、「民主的な話し合い」そのものに視点が移りつつあることが、今日の協同組合のガバナンス論の一つの特徴だと思う。
(略)
協同組合のガバナンスが民主的な話し合いにつながる時、それは互いの多様性を認めることが出発点であると思う。
(略)
多様性も認めた上での民主的な話し合いのためには、相互承認の過程から、新たなアプローチが求められているのであろう。その手法のひとつがワークショップであり、ファシリテーション等ということではないだろうか。
協同組合のガバナンスの出発点としての「民主的な話し合い」について、あらためて本特集を通じて、読者と一緒に考えてみたい。
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