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【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】(126)東南アジアの食肉需要:現在と10年後2019年4月5日

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【三石誠司 宮城大学教授】

 東南アジア市場が有望なことは各所で述べられている。だが、具体的にどの国のどの市場が伸びるのか、今後の可能性があるのかは余り語られていない。そこで米国農務省の資料を基に畜産物で検討してみたい。ポイントは特に注目すべき5か国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、ベトナム)の畜産物需要が今後10年間でどう見込まれているかである。

 経済成長に伴い、所得水準が上昇すると食肉需要も増加する。そして、牛肉、豚肉、鶏肉という代表的な食肉も各国の文化や地域性により「好み」の違いが明確に出てくるようになる。誤解を恐れず、ざっくりとした言い方をすれば、イスラム教徒が多いインドネシアやマレーシアでは家禽肉が好まれる。仏教国であるタイも同様である。これに対し、ベトナムはどちらかと言えば豚肉が好まれる。フィリピンの豚肉需要も拡大見込みである。こうした傾向を踏まえて東南アジアを見ると、よりリアルな動きが見えてくる。
 米国農務省の長期見通しによれば、2018年時点でこれら5か国の食肉需要(牛肉・豚肉・鶏肉)の合計は年間1535万トンだが、10年後の2027年には1910万トンと375万トン増加する。ちなみに、国連の人口見通しでは、5か国の合計人口は2018年には約5.7億人だが、10年後には6.2億人へと約4880万人増加する。同期間に日本の人口が約390万人減少することを見ると傾向の違いは明らかである。

 

※  ※  ※

 

 以下、5か国について国別かつ食肉の種類別に簡単に概要を述べてみたい。数字は全て概数である。
 インドネシアの食肉需要の中心は10年後も家禽肉で年間196万トン、これに88万トンの豚肉、さらに76万トンの牛肉需要が見込まれる。合計では360万トンで、豚肉・牛肉は若干の輸入が必要になる。
 マレーシアの10年後の食肉需要は271万トンだが、そのうち約8割の215万トンを家禽肉が占めることが特徴である。牛肉・豚肉は、各々32万トン、23万トンに過ぎない。日本では余り知られていないが、マレーシアでは家禽肉生産が盛んであり、現在でも年間178万トンの家禽肉が生産されている。
 フィリピンの食肉需要は現在391万トンだが、これが10年後には513万トンと大きく伸びる見込みである。内訳は豚肉が245万トン、家禽肉が221万トン、牛肉が48万トンと、豚肉・家禽肉が中心である。実はフィリピンは10年後の食肉生産量見込みが396万トンに過ぎず、5か国の中では最も食肉輸入が多く、年間117万トンの輸入が見込まれている。
 一方、タイの10年後は国内需要281万トンに対し、国内食肉生産量は513万トンが見込まれている。特に家禽肉の輸出余力が年間100万トン以上と他国を圧倒している。豚肉需要は122万トン、牛肉需要は13万トンと、いずれも生産量に概ね等しい。
 ベトナムの10年後は豚肉需要325万トンが圧倒的である。家禽肉需要は86万トン、牛肉は米国農務省データで判明しなかったため、2018年の需要量41万トンを年間5%ほどの伸び率で試算すると10年後には76万トン程度になる。その結果、合計は486万トンとなる。

 

※  ※  ※

 

 以上を簡単にまとめたものが下のである。東南アジア5か国の食肉需要にどのような傾向があるかを示している。国により食肉の好みが大きく異なるし、国別の市場規模も他国や日本と比較することにより、非常にわかりやすくなる。
 それにしても、米国農務省の数字では10年後の日本の食肉需要は現在よりも多い。これはこれで興味深い。

 

東南アジア諸国と日本の食肉需要見直し

 

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

三石誠司・宮城大学教授のコラム【グローバルとローカル:世界は今】

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