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【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】(144)蘇るザリガニ2019年8月23日

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【三石誠司 宮城大学教授】

 ザリガニが伸びている。FAO(国連食糧農業機関)の資料「The States of World Fisheries and Aquaculture 2018」を見ていたところ、興味深い数字を見つけた。普段、穀物や畜産の統計ばかりを見ていると、意外に水産統計が面白い。

 まず、内水面養殖漁業(Inland aquaculture)などという用語からして筆者には余り馴染みが無い。調べてみると河川・川・沼などの淡水における漁業あるいは養殖のことを内水面漁業・養殖というようだ。これに対し、海で行うものは海面漁業・養殖という。琵琶湖、霞ヶ浦、浜名湖、宍道湖などは各々の特徴により漁業法等で詳細が定められているようだが地元の人たちの方がはるかに詳しく、筆者は不案内のためここでは触れない。

 FAOの内水面養殖漁業の統計分類を見ると、魚類(Finfish)、甲殻類(Crustacean)、軟体動物(Mollusks)、その他養殖動物(Other aquatic animals)という項目に分かれている。2016年の世界全体の生産量は8003万トンである。中心は魚類で5409万トン、次が軟体動物で1714万トン、そして甲殻類が786万トン、その他は94万トンである。魚類が多いのは想像できるが、軟体動物、いわゆるイカやタコが想像していたより多い。
 興味深いのは、多くが比較的世界に分散しているのに対し、甲殻類は786万トンのうち706万トン、実に9割がアジアで生産されていることだ。アジア人はとくにエビやカニを好むのだろうと、簡単に考えて読み進めてみたところ、さらに興味深い点に行き当たった。
 以下、水産分野が専門で無いため一応確認はしたが、正式な名称や経緯に誤解がある場合にはご容赦頂きたい。

 2016年の甲殻類786万トンの内訳は、バナメイエビが416万トン(53%)と最も多い。バナメイエビはクルマエビの一種であり、中南米のホワイト系のエビと言われている。エクアドルでの養殖が確立し、それが東南アジアに広がったようだ。英語ではPacific white shrimpと言う。学名はPenaeus vannameiであり、ここからバナメイエビと呼ばれる。1980-90年代にはブラックタイガーの別名を持つウシエビが多かったが、病気に弱いため現在では耐病性に優れたバナメイエビが中心となっている。
 次いでアメリカザリガニが92万トン(12%)、チュウゴクモクズガニ(中国藻屑蟹、日本では一般には「上海蟹」として知られているが中国では「大閘蟹」と呼ばれるようだ)が81万トン(10%)と、上位3品目で75%を占める。そして第4位にアマエビの70万トン(9%)、カワエビの27万トン(3%)が続く。
 率直なところ、エビとカニはそれなりに予想していたが、アメリカザリガニの数字には驚いた。そこでよく調べてみると、どうも近年、中国ではザリガニが需要・生産ともに大きく伸びており、急成長産業として注目されているようだ。中国語ではザリガニをミニ・ロブスター(小龍蝦)と呼び、世界のほぼ全量を生産しているようである。

 そういえば、筆者がかつて駐在していた米国ルイジアナ州ニューオリンズでもザリガニは名物料理として有名だ。観光需要が中心だが、不足時には中国から輸入して対応していたことがある。いろいろネットの記事を見ていたところ、昨年5月のある記事(SankeiBiz 2018年5月23日付け)によれば、中国全体でザリガニ養殖および関連飲食産業で約2兆4千億円、関係業界の就労者数は500万人というから大したものだ。
 先に述べた米国ルイジアナ州はカリフォルニア州と並ぶコメの産地であり、ザリガニは冬場の田んぼに水を張って育ててきたという歴史がある。興味深いことに、現代中国でも湖南省のように稲作の裏作としてザリガニ養殖を奨励している地域があるようだ。

 筆者は米国駐在時代に、ニューオリンズのザリガニ(クローフィッシュあるいはクレイフィッシュ)を用いた料理を家族でも、そして仕事の会食でも実に良く食べた。日本からの来客の多くはザリガニというと一瞬躊躇する方が多かったが、それはかつて、あるいは現代日本におけるザリガニのイメージが強いからであろう。
 個人的には昆虫食などよりよほど好きだが、残念なことに現代日本人の多くはザリガニの美味しい食べ方を忘れてしまったのかもしれない。邪見にするだけではなく、新たな食資源として考えてみても良いと思う。筆者は日本ではほとんど食べられないスパイシーなルイジアナの食べ方をお勧めするが、中国の食べ方も近いうちに試してみたいと考えている。

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