左カラム_農協協会90周年
Z-GIS左PC
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
BASFヘッドSP:カスケード
JA全中中央①PC
JA全中中央SP

国民に犠牲を強いる新型肺炎対策【森島 賢・正義派の農政論】2020年5月18日

一覧へ

【森島賢】

新型肺炎の蔓延による緊急事態宣言は、東京、大阪などの大都市圏では継続したが、他の多くの県は解除した。政府が公認する感染者の増加数が頭打ちになり、蔓延が小康状態になったからだという。だが、警戒は続けよという。
なぜ小康状態になったのか。政府の対策が成功したのか。そうではない。政府は検査体制の拡充による早期発見と隔離をせず、医療体制の整備を怠ってきた。このため、先日亡くなった力士の勝武士さんをはじめ、多くの人たちが犠牲になった。この状況をみて、多くの国民が自衛のために、やむを得ず外出を自粛した。だから小康状態になったのだろう。

政府が検査と隔離と治療を怠ってきた代償は、今後も、国民の犠牲という形で支払い続けることになるだろう。
当面している感染の第1波は小康を迎えたものの、これに続く大きな第2波を覚悟しておかねばならない。検査の怠慢によって、市中には多くの感染者が、政府未公認のままで放置されているからである。
今後、市中のあちこちにいる彼らが感染源になり、起爆剤になって、市中のあちこちで感染爆発を起こすかもしれない。


政府は、東京都の市中にいる未公認の感染者は僅か0.6%しかいないといっている。しかし、この数は極めて怪しい。根拠になる資料が怪しく恣意的なものだからである。つまり、こうである。
政府は、日赤で献血した人の血液を検査した結果を根拠にしている。ここには、病弱者、ことに高熱者はもちろん、微熱の人などは除外されているだろう。子供や高齢者も除外されているだろう。しかも、検査数は僅か500人である。
だから、東京都にいる頑健な人でさえ0.6%の人が感染者になっていて、市中に潜在している、というべきである。東京都の感染率は......などというのは事実と違い、非科学的である。
このような非科学な根拠に基づく対策は、必ず誤った方向へ向かうだろう。


安倍晋三首相の側近にいる、いわゆる専門家でさえ、実際の感染者の数は、政府公認の感染者数の4~5倍から40倍ほどいるだろう、と公言している。
また或るTVの、農学者でもある解説者がいっていたが、0.6%でも少なくない。東京都の人口は1398万人だから、その0.6%が感染者とすれば、その数は8万人を超える。
一方、東京都が発表している感染者数は5000人だから、その16倍になる。つまり、公認感染者は僅か5000人だが、非公認感染者は7.5万人になる。だから、実態から遠く離れた資料を基礎にして対策を考えていることになる。
これでは、第2の大波に対する対策は、多くの犠牲者を出し、またしても失敗するだろう。


なぜ政府は、検査を怠ってきたのか。そうして、多くの感染者を市中に放置しているのか。それは、検査のための機器が充分になく、また、それを使う技術者も不足しているからだ、という。だが、これは偽りである。
それらは、全国各地の大学にあるし、農水省に関係する家畜保健衛生所にもある。全農(全国農業協同組合連合会)の家畜衛生研究所にもある。しかし、その大多数が新型肺炎対策のために使われていない。
ノーベル賞を受賞した山中伸弥教授は、これらを使って検査数を大幅にふやせ、と主張している。安倍首相とのネット対談では、100倍に増やすことを提言している。
しかし厚労相は、大学を所管する文科省や農水省に協力を要請しない。全農に依頼することもない。何故か。
新型肺炎の検査は、厚労省の専権業務と考えているからだろう。厚労省は、これを権利とみて、それにしがみつき、他に譲ろうとしない。そうして、機器や技術者の不足を言い立てて、検査を怠り、国民に犠牲を強いている。


責任は厚労相にあるのか。そうではない。責任は安倍首相にある。
いまは、大恐慌以来の危機だというのに、それに立ち向かう司令部がない。文科省や農水省に指令を発する最高司令官がいない。こうした体制を続けている首相が、責任を負うべきである。
しかし、このことも事態の表層にすぎない。


事態の深層に何があるか。
検査体制を充実すれば、多くの感染者を公認することになる。そして隔離し治療する義務を負うことになる。そのために多くの隔離病棟も作らねばならぬ。そして、そこに大量の財政資金を投入することになる。このことを政権の権力者はムダ金と考えているのだろう。選挙のときの票にならないからである。そうして国民に犠牲を強いている。
政治はこの方向へ向かって、今後も進み続けるのか。そうして、新型肺炎の猛威が衰えるまで国民に犠牲を強いるのだろうか。それとも、感染者の病苦と死への懼れを最小限にする方向へ転換するのか。そうして、科学の力を結集し、新型肺炎の力を削ぎ、科学の力で無力化させるのだろうか。そのことを政治が厳しく問われている。
政治家は、国民を犠牲にすることで、自分の政治生命を長らえる、という道は閉ざされていることを覚らねばならない。

(2020.05.18)


(前回  学術論文の作法

(前々回 日本型の新型肺炎対策の失敗


(「正義派の農政論」に対するご意見・ご感想をお寄せください。コチラのお問い合わせフォームより、お願いいたします。)

最新の記事

シンジェンタSP:アンケート(200603-)

注目のテーマ

注目のテーマ

クミアイ化学右カラムSP

JAの現場から考える新たな食料・農業・農村基本計画

新世紀JA研究会 課題別セミナー:SP

衝撃 コロナショック どうするのか この国のかたち

注目のタグ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

クローズアップ

JA人づくり研究会:SP

シリーズ

ニューロング:SP

特集

新世紀JA研究会:SP

解説・提言

農協研究会:SP
topへ戻る