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コロナ禍で手探り状態に陥った関東の新米価格【熊野孝文・米マーケット情報】2020年8月18日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

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この時期、首都圏の米穀業者の間で最大の関心事になる関東早期新米の価格動向は、コロナ禍で盆休前に行われる予定であった席上取引会も延期されるなどで、まさに手探り状態になっている。一方で千葉や東京の一部量販店では、宮崎コシヒカリよりも早く、7月30日に千葉県いすみ市で生産された極早生米「五百川」が店頭に並んだ。店頭価格は5キロ1680円(税別)。

五百川を量販店に納入した米穀業者によると、いすみ市の大規模稲作生産者は作期分散のために7月中に刈取り出来る五百川を積極的に作付け、2年産は20ha作付したという。もちろんこの面積がすぐ出来たわけではなく、この業者が作付依頼をしてから4年目にしてこれだけの面積に拡大した。ただ、五百川は民間育種の品種であり、千葉県の奨励品種にもなっていないため県内でどの程度作付されているか定かではない。五百川の普及を推進している大手卸によると400ha程度ではないかと推計している。このため五百川が早期新米の価格動向を左右できるほどのボリュームではないが、店頭1680円と言う価格には大きな意味がある。千葉、茨城の早期米と言えばふさおとめ、あきたこまちが2大品種であったが、あきたこまちは量販店向けだけでなく、外食企業の中に「あきたこまち新米使用」と旗のぼりを立ててPRする牛丼チェーンがあり、この外食企業に仕向けられる量が多かった。ところが今年はコロナ禍で外食需要が減退したこともあってか新米あきたこまちを購入しない。こうした大手実需の買いがあれば、その購入価格が目途になって新米価格の位所も目途を立てやすかったが、そうした需要が無くなったことで新米価格が手探り状態になっている。そうは言っても今週末には関東の早期米が出回り始めるのでコメ卸は量販店と値入交渉をしなければならない。その場合どうするかと言うと「仮置き価格」で交渉を進め、先に店頭価格ありきで交渉を進める。すでに最も早く出回った五百川が店頭1680円でスタートしているため、この価格を無視するわけにはいかない。その意味で五百川の価格には大きな意味がある。

もう一つ新米の価格動向を知るうえでコメ卸の間で話題になっていることがある。それは大手卸が産地農協等と直接取引するために打診している価格で、それによるとふさおとめやあきたこまちなど中間クラスのコメの買いが60キロ当たり1万2500円~1万3000円、コシヒカリが1万3000円~1万3500円と言ったもので、他の卸はこの価格を下限価格と言う認識でいる。下限価格になるか否かはまさに相場なので神のみぞ知るというところだが、根拠がないわけではない。

それは業務用需要の回復が直ぐには見込めない以上、量販店向けを主眼にする以外になく、その場合、手持ちの元年産と並行して販売する以外にない。元年産の消化を優先するためには新古格差が重要になるが、新米の価格を高くして元年産の価格を安く見せるという手法は今年は通用しない。このことは、これまで5キロ2000円を超える精米が売れなくなったどころかコメ全体の需要量が大きく落ち込んだことで嫌と思うほど思い知らされた。特に現状で最も重視しなければならないのは勤労者の所得減少で、これもコロナ禍が招いた大きな変化である。極論すれば加工による付加価値のない精米を販売するには価格しかないのである。そう考えた場合、基準値となる5キロ当たりの精米価格は2年産が1580円、元年産1480円で、そうした価格帯を設定して消費者にコメを買ってもらえるようにする以外今の苦境を乗り切るすべははない。そうした考え方が背景にあって産地に対して前述のような価格を打診しているものとみられる。

新米価格を左右するもう一つの要素は産地の庭先価格である。早期米産地の生産者は農協系だろうが商系業者だろうが1俵100円高い方に売る。今週には産地農協が2年産買取価格を生産者に示すことになるが、その場合、集荷業者の間で予想されているのが前年産価格に比べ1000円安と言う水準。すでに業者間ではこうした価格を見越して8月中渡し条件で2年産あきたこまちが成約しているものもある。

新米の価格については、国による価格対策を期待して、農水省が否定しているのもかかわらず、2年産政府備蓄米の追加買入があるのではないかと言う噂が燻っているほか、周年対策による元年産隔離を期待する声が強い。隔離と言っても販売を先延ばしするだけの話なのだが、こうした国による対策ばかり期待しているようではいつまでたっても市中相場はアク抜けしない。売れる価格で売るしかないのである。


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