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機能性米の契約栽培に乗り出した大手証券会社【熊野孝文・米マーケット情報】2020年9月1日

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【(株)米穀新聞社記者・熊野孝文】

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ネットで株主優待の商品としてコメを出しているところを検索してみたらなんと89社もあった。コメ商品で目立って多かったのが全国共通お米券で、どこでもお米に代えられるので優待券としては便利なのだろう。次に多かったのが新潟コシヒカリや魚沼コシヒカリでネームバリューの賜物。株主優待では投資金額に対する利回りのランキングも出ており、コメを提供している企業のナンバーワンは利回り率7.5%。600株買えば5キロの精米が送られてくる。このランキングには出ていないが、コメを株主優待として提供している企業の中には大手証券会社もいる。なぜランキングに載っていないかと言うと、この会社のコメは加工食品で健康補助食品の一つとして提供されているからである。コメ加工食品はどこでもあるだろうと思われるかもしれないが、この証券会社が提供しているコメ加工食品は、国立循環器病研究センターと共同開発した製造技術で作った発芽玄米で、GABAの含有量が白米に比べ47倍も含まれているという代物。製造方法だけではなく、それを製造するために最適な原料米を探して、それを契約栽培している。この会社の商品開発部とマーケティング部の社員が商品PRのためのプロモーション撮影の準備として契約栽培産地を視察に訪れるというので同行取材させてもらうことにした。

GABAと聞けば金のいぶきといった巨大胚芽米を思い浮かべるが、この会社が選んだ原料米は埼玉県の奨励品種になっている「彩のかがやき」。開発担当者によると各産地の品種の成分分析を行った結果、彩のかがやきが最も多くGABAを含んでいたことが分かり、この品種を契約栽培することにしたという。他の発芽玄米とどこが違うのかと言うと、玄米を発芽させる際、アミノレビリン酸リン酸塩(ALA)という天然アミノ酸を使うことで、これによって雑菌の繁殖を防ぐだけでなく、栄養価も最大限引き出せるという。国立循環器病研究センターのニュースリリースには

「玄米の発芽過程で適切な温度と水が必要となりますが、柳本室長らは、新製造法に基づき5-アミノレブリン酸(ALA)を適切に用いることで、発芽玄米に含まれるガンマ-アミノ酪酸(GABA(ギャバ))が通常(既存)の発芽と比べて有意に増加することを明らかにしました。玄米が発芽するとギャバ量が約3~4倍に増加しますが、劣悪な発芽環境、または、不十分な発芽時間では殆ど増加しません。既存の発芽手法に勝る、発芽後ギャバ量の増加は、順調な発芽反応が、一定時間内に十分に進んだこと(玄米のより健全な発芽)を示します。本研究では、玄米の発芽過程でALAを適切に用いることで、より良質な発芽反応が生じることが示されました。マウスを (1)マウス用通常食群(2)本発芽玄米群(3) 従来の発芽玄米(無作為に3種を抽出)群に分け、6週間にわたり飼料として与えた後に、独自の修正を加えた「モリスの水迷路試験」を実施して、個々のマウスの空間認知学習力を判定しました。その結果、マウス用通常食で飼育されたマウス群に比べて本発芽玄米で飼育されたマウスの成績が有意に高く、本発芽玄米によりマウスの記憶力が向上したことが示されました」と記されている。

言ってみれば国の研究機関のお墨付きをもらったような発芽玄米だが、製法だけではなく原料米まで指定して、それを契約栽培するというのだから並々ならぬ力の入れようだという事だけは疑いようがない。わざわざ契約栽培している産地まで出向いてプロモーション撮影の準備をしに来たのもこの企業グループのトップが、彩のかがやきが収穫される際、現地を訪れることになっているからである。トップ自身がこの発芽玄米を毎日食べており、プロモーション撮影もトップの直接の指示だという。

この大手証券会社のコメとのかかわりはこれだけではない。別のグループ会社は、大阪堂島商品取引所の会員になり、マーケットメーカーの役割を果たしているほか、少額資金でコメ先物市場に参加出来る小口証券e‐ワラントを発行している。さらにはコメ先物市場の値動きに合わせた精米を買える様に「堂島米」をネット販売している。

機能性コメ加工食品の原料米契約栽培と堂島でのマーケットメーカーの役割は全く別世界だが、このグループ会社のトップが「日本のコメをどうにかしなくてはいけない」と考えていたらどうだろう。株主優待はいうまでもなくその企業の株を買った人に与えられる特権である。株ではなくコメ先物市場での買いを証券化すればそれを買った人に同じことが出来るのではないか。

本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
(株)米穀新聞社記者・熊野孝文氏のコラム【米マーケット情報】
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