(208)中国のトウモロコシ輸入見通し、急増【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2020年11月27日
世界最大のトウモロコシ生産国は米国ですが第2位は中国です。2020/21年のトウモロコシ生産数量見通しは、11.4億トンであり、内訳の上位3か国は米国3.7億トン、中国2.6億トン、そしてブラジルが1.1億トンと見込まれています。問題は貿易です。世界のトウモロコシ貿易量は年間1.8億トンですが、今年から来年は要注意です。
世界最大のトウモロコシ生産国は米国ですが第2位は中国です。2020/21年のトウモロコシ生産数量見通しは、11.4億トンであり、内訳の上位3か国は米国3.7億トン、中国2.6億トン、そしてブラジルが1.1億トンと見込まれています。問題は貿易です。世界のトウモロコシ貿易量は年間1.8億トンですが、今年から来年は要注意です。大量のトウモロコシの輸出を安定的・継続的に行なえる国はそれほど多くない。世界を見渡しても、米国の6600万トンが飛びぬけており、次いでブラジル3900万トン、アルゼンチン3400万トン、ウクライナ2300万トン、この4か国だけが年間1000万トン以上の輸出余力を持つに過ぎない。
これを日本の輸入という視点で見た場合、南米のブラジルとアルゼンチンは距離的に遠い。つまり、輸送コストがかかるため産地価格だけでなく、日本着ベースでの国際市場価格での競争になるとなかなか継続した有利性が発揮できない。ただし、収穫時期が北米と異なるため、タイミングによっては競争力を発揮することがある。
最後に述べたウクライナは、過去5年間の輸出数量を見ると、年間1800万トンから3100万トンと幅がある。ただし、この国はそもそもトウモロコシ生産量の7~8割を輸出しているという点で、他の輸出国とは生産構造が大きく異なる。
問題は、貿易市場に出てくる年間1.8億トンのトウモロコシをどのように分け合うかである。トウモロコシの輸入で見た場合、EUの2000万トンを除けば、メキシコが1730万トンで1位、次いで日本が1600万トンで2位だが、11月の農務省発表では第3位に中国が1300万トンと急浮上している。中国のトウモロコシ輸入数量は2016/17年度には250万トンであったが、その後、年々輸入量が増加し今年は急増した訳だ。
ここで重要な点は、もともと中国はトウモロコシについて、米国に次ぐ世界2位の生産国(2.6億トン)であり、同時に世界2位の消費国(2.8億トン)でもあるという点である。これまでは大量の国内生産量を背景に需要動向を見ながら一定の備蓄をしてきたようだが、どうも状況が変わりつつあるようだ。詳細は中国の専門家に尋ねたい。
繰り返すが、中国のトウモロコシ輸入見通しについて、米国農務省は10月発表の700万トン(1昨年は760万トン)を、11月発表では1300万トンに引き上げている。中国のトウモロコシ輸入は定められた年間の輸入枠に対応する形で行われているが、相当量のトウモロコシが必要ということが明確になった訳である。
11月発表を見る限り、繰越在庫を全て無視すれば、需要と供給の差は2000万トンである。2020/21年度は現段階では1300万トンだが、今後さらに上乗せされる可能性もあるし、状況によっては2021/22年度までその影響が続くこともあろう。
中国はかつて油糧種子について、自給から輸入に大きく方針転換を行い、現在では世界最大の輸入国である。仮にトウモロコシの大量輸入を継続するような状況になれば、世界のトウモロコシ貿易市場はこれまでとは全く異なる構造になる。
当面はそれでも何とかなるだろうが、日本の立場からは、万が一米国産トウモロコシが希望通りに入手できなくなった時のことを想定して、準備をしておく必要があることは間違いないであろう。
筆者はトウモロコシ輸入の現場を離れて久しいが、国別の輸入実績を見る限り顔ぶれは20年前と変わっていない。当時は中国からの「輸入」が多少あった程度である。現在の需給状況はロートルにも極めて分かりやすいが、一抹の不安が残ることは否めない。業界関係者は既に十分に対策済であろうと期待している。
* * *
市場に大量購入するプレーヤーが参入すれば、当然それなりの変化が発生します。米国は現在18億ブッシェル程度のトウモロコシ輸出を2030年には28億ブッシェルくらいまで増加させる見込みのようですが、こちらも生産量160億ブッシェル、平均単収198.5ブッシェル/エーカーが前提となっています。これは凄い数字です。
本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
三石誠司・宮城大学教授のコラム【グローバルとローカル:世界は今】
重要な記事
最新の記事
-
「JAcom」を4月8日全面リニューアル 農業・農協の情報をより分かりやすく 探しやすく2026年4月1日 -
【人事異動】農水省(4月1日付)2026年4月1日 -
【人事異動】農水省(3月31日付)2026年4月1日 -
【スマート農業の風】(25)環境配慮型農業との融合2026年4月1日 -
首相はウィーン条約をご存知か【小松泰信・地方の眼力】2026年4月1日 -
【JA人事】JA氷見市(富山県)新組合長に浮橋勉氏(3月24日)2026年4月1日 -
全国の総合JA数 490に 4月1日2026年4月1日 -
【JA人事】JA成田市(千葉県)新組合長に岩館秀明氏(3月25日)2026年4月1日 -
4月の野菜生育状況と価格見通し キャベツ、レタスの価格は平年を下回って推移 農水省2026年4月1日 -
東海代表決定「JA全農杯全国小学生選抜サッカー大会」優勝は「ヴェルダン」2026年4月1日 -
対話練習システム「AIロープレ」を全国JAで導入 対話力向上で多様化するニーズに対応 JA共済連2026年4月1日 -
児童養護施設へ愛知県産いちご「愛きらり」を寄贈 JA愛知信連2026年4月1日 -
【役員人事】農研機構(4月1日付)2026年4月1日 -
【役員人事】農林年金(4月1日付)2026年4月1日 -
米穀機構を米のコスト指標作成団体に認定 農水省2026年4月1日 -
【役員人事】三菱マヒンドラ農機(3月30日付)2026年4月1日 -
井関グループ入社式を開催 小田切社長が新入社員にメッセージ2026年4月1日 -
日本農業 子会社のジャパンベジタブルを吸収合併2026年4月1日 -
新規バイオスティミュラント剤「ノビテク」国内販売開始 住友化学2026年4月1日 -
情報発信ショートドラマ「農薬GIRLとオーガニック彼氏」公開 日本農薬2026年4月1日



































