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主権者教育が必要なのは誰か【小松泰信・地方の眼力】2020年12月2日

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主権者教育推進会議(文部科学省の有識者会議)は、11月2日に今後の主権者教育の方向性を示す「今後の主権者教育の推進に向けて(中間報告)」をまとめた。

komatsu_honbun.jpg主権者教育推進会議の提言

同会議は、「教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない」(教育基本法第一条)、「良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない」(同法第十四条)に基づき、選挙権年齢の満18歳への引き下げ(2015年)、成年年齢の満18歳への引き下げ(22年)を踏まえ、新学習指導要領の下で、主権者教育の一層の充実を図ることが求められていることを背景とし、「主権者として必要な資質・能力を、各学校段階における学びを通じて、あるいは家庭や地域における学びを通じて、社会総がかりで児童生徒に育成する観点から、今後の主権者教育推進の方向性」について中間的な提言を行った。
具体的には、学校、家庭、地域における主権者教育の充実と、その充実に向けた「メディアリテラシーの育成」である。
メディアリテラシーとは、社会をつくる主権者としての主体形成に求められる、「多様なメディアから適切かつ効果的に必要な情報を収集する能力」と「公正に判断し自分なりの意見を構築する能力」を意味している。玉石混淆の情報洪水の時代において、涵養することが重要かつ困難な能力である。

教員に尻込みさせるな

この提言を社説などで取り上げている、唯一とも言える読売新聞(11月29日付)は、「主権者教育の本質は、一人ひとりが社会の一員として、物事を多面的に考え、判断できるよう育てることにある。学校現場は改めて、その重要性を認識してほしい」と強調し、「新聞や公的な資料、統計データなども用いて多様な情報や見解に触れ、妥当性や信頼性を的確に判断できるようになることが不可欠」とする。
政党の公約についても、「『難しくてわからない』と決めつけず、まずはパンフレットなどを手に取ってほしい」と訴え、校則や校内のルールを学校が押しつけるのではなく、生徒自ら考える試みなども有効ではないか。自分の声で、世の中が変わることを実感でき、選択に責任を持つことにもつながるはずだ」と提案する。
「主権者教育に取り組む教員の育成」についても言及し、「政治的中立性の確保が難しいとして、尻込みする教員は多い。指導技術の向上を図り、生徒と共に社会と向き合う時間を増やしてもらいたい」と訴える。
菅首相が引き起こした日本学術会議会員の任命拒否事件は、間違いなく「尻込みする教員」を増加させる。「指導技術」の向上では克服できない、政治圧力だからだ。
「中立性の確保」のためにも、おかしいことはおかしいと言わねばならない情況にある。保守系の読売新聞にも、教員を尻込みさせるような政治的圧力には、ペンの力で戦うことを期待する。

ハードルが高い「不支持」の選択

これまでの主権者教育がもたらしたものかどうか、にわかに判断はつきかねるが、毎日新聞(11月24日付)は、同紙と社会調査研究センターが11月7日に実施した全国世論調査において、世代間の意識の差がくっきりと表れたことに注目し、その背景を探っている。
(1)全体では57%だった内閣支持率は、18~29歳が80%と最も高率。
(2)政党支持率は自民党が最も高く37%だったが、18~29歳は59%と際立って高い。
(3)首相が学術会議の会員候補6人の任命を拒否したことについて、「問題とは思わない」と回答した人は、18~29歳が59%で最も高い。「問題だ」と答えた人は、逆に18~29歳が17%で最も低い。
この傾向について、社会調査研究センター社長の松本正生氏(埼玉大教授、政治意識論)は、「若い世代の『今を変えたくない』『変わってほしくない』という『現状維持』の志向が表れている。『保守』というよりも『保身』と言うべきで、政治的な意味での保守化とは次元が違うのではないか」と指摘する。
中西新太郎氏(関東学院大教授、社会学)も、「若い世代は日本社会の将来について明るい見通しを持っていない人が多数派だ。現状は格差社会で『生きにくい社会』だ。それでも、若者が現状維持志向なのは『これ以上ひどくならないように』との思いからだ」と語っている。
また、若者に社会や政治への参加を呼び掛ける団体「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子氏は、自分と同世代の政治意識の傾向に「違和感はない」「積極的な支持というより、消極的な支持では」と分析する。
「政治に限らず『ノー』と言うには、きちんとした理由が必要。内閣についても基本は『イエス』から始まり、どうしても許せないときに初めて『ノー』という選択肢が出てくる」との氏の説明は、極めて興味深い。
「NO」「不支持」の選択は、理路整然とした理由や対案を求められる。確かに、選択する時の「ハードル」は高い。
「これまでの人生で、世の中が上向きだったことがない。20年後はもっと悪いだろうなというイメージがある。政治に対する期待感は他の世代と比べて低い」という言葉は、上向き時代に育ってきた当コラムの胸に重く、鋭く突き刺さる。

若者に勇気づけられる

だからこそ、堂々と根拠ある主張を行う若者の存在には勇気づけられる。
西日本新聞(12月1日付)によれば、日本学術会議が推薦した新会員候補者6人が任命を拒否された問題で、高校生や大学生が11月30日、首相官邸前で拒否理由の説明や6人の任命を求める抗議集会を開いた。「ACADEMIC FREEDOM」と記載したボードを掲げて「学問を守れ」と声を上げた。主催者側によると、約80人が集まった。7人の高校生と大学生が順番に「学問の自由を揺るがす恐ろしい事態だ」「将来、学者を目指す学生にも影響を与える」などと訴えた。
発起人の都内の私立校2年田原千尋氏は「私たち高校生も主権者。自分たちがどう生きて行くかは、自由な学びがあってこそ見つけていけるものだ」と語っている。
そうなんだ。君たちは立派な主権者なんだ。主権者教育が必要なのは、菅義偉、あんたなんだよ!
「地方の眼力」なめんなよ


本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。

小松泰信氏のコラム【地方の眼力】

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