五輪が結び合いWとなる意義【原田 康・目明き千人】2021年5月22日
今年の東京オリンピック・パラリンピックは矢張り無理がある。
オリンピックは1894年(明治27年)にフランスのクーベルタン男爵の提唱で始まった。
この時代はヨーロッパの列強と云われる国がアフリカやアジア各地へ植民地政策の最盛期で、日本も日清戦争から満州事変へと拡大をした富国強兵の時代であった。
クーベルタン男爵が「スポーツを人類に役立て、平和を推進する」ことなどを目的としてオリンピックを定期的に開催することを提案し、世界の各国がこれに賛同をした。
五輪のマークは世界の5大陸、ヨーロッパ、アフリカ、南北アメリカ、アジア、オセアを象徴している。5の輪は互いに結びあってW・ワールドの型を示している。
20世紀の初めには各国のメダル獲得競争が過熱をしたので「オリンピックで重要なのは勝つことではなく、参加をすることである」が加わった。
オリンピックの開催が政治的に利用をされた。1936年のベルリン大会がそれの典型である。ヒットラーがナチス政権にとってオリンピックが大きな宣伝効果を持っていることを見抜いてベルリン開催を誘致した。ドイツ国民には参加の動員をかけ世界に「民族の祭典、美の祭典」のキャッチフレーズで鉤十字を中心とした派手な宣伝をした。ギリシャからベルリンまでの聖火リレーもこの大会から始まった。ベルリン大会はオリンピックの政治利用の見本として歴史に残った。
現代になって、オリンピックの人気にあやかってこれをビジネスとする利権が生まれてきた。5輪マークの使用や、運営にかかる巨額の費用がオリンピックの主催者や開催地、関連企業等のビジネス・チャンスとなった。「皆さんの参加で大会を成功させよう」と参加を強調して競技場、選手村、関連施設、インフラなどを短期間に強行する大工事となった。
東京大会は世界の各国がコロナ対策でテンヤワンヤの時期だ。スポーツの祭典がゴタゴタしている世界を一つに結ぶ貴重な機会とするためにも開催の時期を延期することであろう。
無理な開催が「巨大な赤字を生んだ大会」として歴史に残ることを避けることだ。
重要な記事
最新の記事
-
第21回イタリア外国人記者協会グルメグループ(Gruppo del Gusto)賞授賞式【イタリア通信】2025年7月19日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】「政見放送の中に溢れる排外主義の空恐ろしさ」2025年7月18日
-
【特殊報】クビアカツヤカミキリ 県内で初めて確認 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年7月18日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年7月18日
-
『令和の米騒動』とその狙い 一般財団法人食料安全保障推進財団専務理事 久保田治己氏2025年7月18日
-
主食用10万ha増 過去5年で最大に 飼料用米は半減 水田作付意向6月末2025年7月18日
-
全農 備蓄米の出荷済数量84% 7月17日現在2025年7月18日
-
令和6年度JA共済優績LA 総合優績・特別・通算の表彰対象者 JA共済連2025年7月18日
-
「農山漁村」インパクト創出ソリューション選定 マッチング希望の自治体を募集 農水省2025年7月18日
-
(444)農業機械の「スマホ化」が引き起こす懸念【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月18日
-
【サステナ防除のすすめ2025】水稲害虫の防ぎ方「育苗箱処理と兼ねて」2025年7月18日
-
最新農機と実演を一堂に 農機展「パワフルアグリフェア」開催 JAグループ栃木2025年7月18日
-
倉敷アイビースクエアとコラボ ビアガーデンで県産夏野菜と桃太郎トマトのフェア JA全農おかやま2025年7月18日
-
「田んぼのがっこう」2025年度おむすびレンジャー茨城町会場を開催 いばらきコープとJA全農いばらき2025年7月18日
-
全国和牛能力共進会で内閣総理大臣賞を目指す 大分県推進協議会が総会 JA全農おおいた2025年7月18日
-
新潟市内の小学校と保育園でスイカの食育出前授業 JA新潟かがやきなど2025年7月18日
-
令和7年度「愛情福島」夏秋青果物販売対策会議を開催 JA全農福島2025年7月18日
-
「国産ももフェア」全農直営飲食店舗で18日から開催 JA全農2025年7月18日
-
果樹営農指導担当者情報交換会を開催 三重県園芸振興協会2025年7月18日