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【緊急寄稿 森田実】菅・二階体制終幕の背景と真相2021年9月7日

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9月3日、菅義偉総理が辞意を表明した。背景に何があるのか。政治評論家の森田実氏に緊急寄稿をお願いした。

「権力がそれを行使する者にとって毒性を有することは歴史の常識である」(ラスキ)

自民党総裁選は岸田の二階攻撃から始まった

総裁選出馬を最初に表明した岸田文雄前政調会長は、二階俊博幹事長への個人攻撃に打って出た。これにより自民党総裁選は、政策論争の場とならず、始めから権力抗争の場と化した。岸田のバックにいるのは、安倍晋三前総理、麻生太郎・・・、甘利明元経産相のいわゆる「3A」である。3Aがめざすのは、安倍・麻生のダブルキングメーカーの傀儡(かいらい)となる岸田文雄内閣を樹立し、党幹事長に甘利明元を据えて内閣と自民党を完全に支配することである。このためには、第一段階で二階俊博を幹事長からはずし、第二段階で菅義偉総理を倒すというのが基本プランだった。

「3A+岸田」4人組の権力奪取計画は見事に成功し、「菅・二階体制」は終焉(しゅうえん)した。マスコミは「3A+岸田」に加担したことがおおきかった。
9月6日夜、民放BSテレビに出演した甘利明は「菅・二階体制は終わった」と宣言した。

「菅・二階体制」が簡単に倒された原因の第一は、菅総理の動揺だった。3Aは菅総理に「二階幹事長を切れば、安倍、麻生が味方する」と囁(ささや)き、菅に二階を切らせた。原因の第二は二階の平和主義にあった。二階は権力抗争が嫌いである。争うくらいならあえて敗北を選ぶほどの徹底した「和の精神」の持ち主である。菅と二階は驚くほどあっさりと3Aに政治権力の主導権を渡した。

安倍・麻生体制が始まったのは2012年12月の自公連立政権の成立と同時であった。以来2020年8月まで、「安倍・麻生」体制は続いていたが、安倍総理の辞意表明で「安倍・麻生」支配は崩れた。この間隙(かんげき)をついて政権を握ったのが菅義偉である。菅義偉は二階俊博幹事長と森山裕国対委員長に協力を求め、権力を握った。以来自民党政権の主導権は「菅・二階体制」に移った。

安倍・麻生・甘利の3Aは、この時から反撃を始めたが、コロナ禍では目立った動きは控えざるを得なかったが、2021年8月22日の横浜市長選の敗北を期に決起した。3Aの斥候(せっこう)の役割を担ったのが岸田文雄である。

3Aは菅・二階体制を倒したことで、岸田総理・甘利幹事長の実現が近づいた。しかし、好事魔多しである。新たなもう一つの壁を突破しなければならなくなった。総裁選で河野太郎と石破茂の二人を倒さなければならない。しかも河野と石破の連携の動きは3Aと岸田候補にとって脅威となりつつある。

米国政府とともにで反中国姿勢を強める安倍・麻生体制にとって、近隣諸国との平和友好関係を重視する二階幹事長は「敵」である。この二階幹事長と協調関係に立ち、対中国姿勢においてあいまいな姿勢をとる菅総理も打倒の対象となっていた。

3A+岸田の4人組の背後にいるのは、日本を中国と戦う国にしようとしている米国政府である。
マスコミはこのことに気づかず「3A+岸田」の味方になった。あまりにも鈍感で愚かである。中国と戦えば日本は破滅することを自覚すべきだ。

菅、二階支持者の危機感

「3A+岸田」四人組の執拗(しつよう)な攻撃を受けて戦闘能力を喪失した菅義偉と徹底した和の政治家二階俊博は、「3A+岸田」4人組との戦いを回避し、静かに退場する道を選んだが、二階派とグループには強い不満が残った。彼らは反岸田の姿勢を強めている。

さらに、既に政治ジャーナリストの間で「安倍・麻生傀儡政権」と呼ばれるようになっている岸田文雄に違和感を持つ若手政治家は、河野太郎への期待を強めている。

麻生は河野太郎の総裁選出馬に反対だが、麻生派の分裂をおそれて、河野出馬に対して消極的容認をせざるを得ない。

安倍もまた細田(安倍)派に岸田支持を求めれば、派閥の分裂に連動する恐れがあり、強要はできない、今の派閥は昔の派閥とは違う。

麻生派、安倍(細田)派のなかの自由行動派は国民人気の高い河野太郎に接近する可能性がある。二階派も菅グループも河野太郎に近づいている。

河野太郎は麻生派に所属しており、麻生太郎との決定的な決裂は望んでいない。あくまで中立的な態度をとりつづける。

自民党総裁選の動きはめまぐるしく変化しているが、岸田文雄と河野太郎の決戦投票になる可能性がある。

安倍・麻生・甘利の3Aは、何が何でも岸田傀儡政権を実現する方向へ独走しているが、河野太郎という壁は厚い。

安倍・麻生・甘利の3Aの自民党政権支配に反発したり、違和感を持つ国会議員と党員の大多数が河野太郎を支持すれば、3Aの野望は崩れる。

3Aの一人で党の幹事長を狙っている甘利明は、「菅・二階体制は終わった」と繰り返し宣言しているが、勝負は下駄をはくまでは分からない。従米、反中国岸田傀儡政権を選ぶか、中道的河野太郎政権を選ぶか。自民党内の権力抗争は9月29日までつづく。

安倍・麻生・甘利・岸田4人組のリーダーは麻生太郎だ。麻生が闇将軍として絶対的権力者となるか否か――自民党はいま正念場に立たされている。


【コラム:森田実の政治評論の記事一覧はこちら】

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