コロナ無策【森島 賢・正義派の農政論】2022年2月14日
コロナが猛威を振るい続けている。岸田文雄内閣は、これに対してなす術がない。
政治が、機能していないのである。政治はコロナの前で立ちすくんでいるだけだ。こんなコロナ無策の政府なら無くてもいい。
政府は国民に対して、ただただ、家に引き籠っていろとか、人と会うなとか、会っても小声で話せ、といっている。
こんな説教は聞き飽きた。こんなことが、いつまで続くのか。政府は、無為無策のままで、ただただ、猛威が過ぎ去るのを待っているだけだ。
これでは、原始時代に戻ったようだ。政府がその責任を果たしていない。
その一方で、コロナ禍の真っ只中にいる医師や看護師たちは、そして、地方自治体の人たちは、夜を日に継ぎ、懸命になってコロナに立ち向かっていいる。
だが、政治は、彼ら、彼女らに報いていない。感謝の気持ちがあるのか、さえ疑わしい。そうして、医療崩壊の実態を、隠蔽しようとしている。
上の図は、コロナによる死者数の動向を、各国について見たものである。死者に対する哀悼の意を捧げながら、考えてみよう。
これは、新規死者数を7日平均でみたものである。日本はコロナ無策の結果、死者の数は、いまや、韓国を追い越して、欧米諸国に迫っている。
しかも、その増える早さは、1か月で100倍という激烈さである。他国に類例をみない。
◇
なぜ、コロナ無策の結果を死者数でみるのか。通常は、コロナ禍の動向は新規感染者数の推移でみる。疫学でいうエピグラムといわれる最も基礎的な資料である。この方が、動向を素早く見られるし、だから、素早く対策を立てられるし、実行できる。
だがここで、新規感染者数をみないで、死者数でみたのは、これがコロナ禍の究極の災禍だからである。それと同時に、政府が公表している新規感染者数は、実態を表していないからである。
だから、コロナ禍の実態をみるには、それを先行的に表す新規感染者数をみないで、遅行する死者数をみるしかない。新規感染者数が増えた後に増える死者数をみるしかない。そのほうが、正確だからである。死は隠せないからである。
◇
感染者は隠すことができる。政府は新規感染者数を隠そうとしている。隠さないと、政府にとって不都合だからである。
どのように不都合か。
新規感染者数が分かってしまうと、深刻なコロナ禍が露呈してしまう。無為無策ではいられない。政府は、その責任を追及される。だから、隠したいと考える。そして、隠す。新規感染者なら隠せる。だから隠す。
だが、死者は隠せない。コロナ禍の実態を正確に知ることができる。実態は、図で示したように深刻である。政府にとって不都合ではあるが、極めて深刻である。
◇
政府は、事態の深刻さを正確に見据えねばならない。そうしないと、事実と科学に基づく対策を立てられないし、実施できない。
無策の結果、災禍は全ての国民が受ける。非正規労働者や、高齢者などの弱者、ことに女性が、より深刻な災禍を受ける。
◇
100年以上も昔のことだが、医療を受けられず、自宅で死を迎える無医村というものがあった。いまコロナ禍のなかで、同じことが大都会のど真ん中で行われている。この事態は、歴史の汚点として、永く伝えられるだろう。
政府は、こうしたコロナ禍の実態を、直視しなければならない。野党も、目をそむけてはならない。
いま、政府がなすべきことは何か。それは、感染者の早期発見と着実な隔離と早期治療である。それと同時に、ワクチンと治療薬の充分な調達である。そして、責任の自覚である。
(2022.02.14)
(前回 岸田内閣に太郎がいない)
(前々回 事実と科学を無視するコロナ対策)
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