(270)技術の転用可能性【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2022年2月18日
自宅でのんびりテレビというライフスタイルがかなり変化しています。今や動画は空き時間に端末が大勢ではないでしょうか。そんな事を感じつつ、久しぶりにテレビを見ると自動運転車のCMが頻繁に登場することに気がつきます。
これらの技術には全くの素人だが、何となくわかることがある。必要な骨格は、走行車の周囲を写すカメラと周辺の温湿度・路面状況・物体などを感知する高感度センサー、そして感知した対象を解析して適切な行動を起こさせるAIとその指令を受けて動く駆動装置...、各々の内容はブラックボックスでも、大きな仕組みは概ねこのようなものか。
自動運転車の行きつく先は無人自動車であろう。空港モノレールのように固定ルートを定期巡回するのであれば比較的容易だが、臨機応変に小回りが利く無人自動車は技術的には可能でも、社会実装には多少時間がかかる。
ところで、昔観たある映画に、逃げるヒロインが上空から顔を識別され所在を突き止められてしまうため、衛星が上空に来る時間になると物陰に隠れるシーンがあった。当時はまだ特定範囲は1~2メートルであり、画像も修正を施さないと判別困難と言われていたが、恐らく現在では地上の人間を高精度で判別可能なのではないかと勝手に想像している。
このような話は、ハリウッド映画やSFの世界であればその場限りのエンターテイメントになるし、軍事利用などに使われれば危険極まりないが、農業現場にうまく活用できないかと考えると課題解決のヒントになる。
防犯や要介護者の見守りカメラすら数千円の時代である以上、モニターカメラによる田畑の動植物生育画像をオフィスで確認することなどは一定規模の農場では遥か以前に取り入れているであろう。だが、この程度ではまだ前時代の農場経営である。
例えば、数十~数百万羽の鶏を飼う養鶏農家の飼養管理に先に述べた判別技術を転用できないだろうか。一羽一羽の鶏を全てマイナンバーカード(こういうところにこそ本来使った方が良い)で登録、個々の生育状況をリアルタイムでモニタリングし、想定された成長から一定レベルで乖離が見られた場合には、即座に給水や給餌などの個別対応が自動的になされる...。これが現実にはどこまで行われているかは筆者にはわからない。
農場での飼養個体数が少ない牛や豚では近いシステムが既にあるようだが、問題は個体管理の内容の深さ・程度である。耳のタグで識別するだけでなく、人間の健康診断に相当するレベルで日々の個体管理ができているかどうか...、である。まだ熟練農家の技頼りが多い印象があるため、時間を作り最前線を調査してみたい。
こうした形に飼養システムが完成すれば、現場の労働力は激減する可能性がある。というより、外国人技能実習生にまつわる様々な課題や今後の人口減少などを考えれば現場の省力化は即座に取り組むべき技術活用の方向性である。このような話をすると、投資コストが云々とか、人手をかけてこそとかいう話が出るが、それはそういう必要性がある種類の家畜と、それ以外の家畜との議論を一緒にしていることに注意したい。
また、技術はゼロから独自開発しなくても、他分野で既に活用され転用できるモノは転用した方が良い。当初の開発目的とは異なっても、社会的に有益な方向で活用できればその方が開発者にも遥かに良い。
人の感覚は常にアップデートされているようで、意外とある時期の認識に固定されていることが多い。たまに全く異なる業界の変化を見ると、自分が関わる業界が何を活用すれば直面する課題を解決できるかが見える時がある。
* *
ホームセンターの特売で山積みの電子ピアノ(1万円程度)を見ると、中学生時代に、冨田勲氏によるドビュッシー「月の光」のシンセサイザーによる演奏で衝撃を受けた記憶が思い出されます。当時のシンセサイザー価格は恐らく数百~数千万円でしょうが、現在の特売電子ピアノには恐らく同等以上の機能が装備されていると思われます。
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三石誠司・宮城大学教授のコラム【グローバルとローカル:世界は今】
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