食料安保が身近に 【消費者の目・花ちゃん】2022年4月9日
ウクライナの国旗は、上半分が空色で下半分が黄色の2色です。これは青空と小麦の黄色い畑を表しているそうです。青空の下どこまでも続く小麦畑の写真を遠目に見ると、ウクライナ国旗に見間違えそうになります。
ひと昔前から「欧州のパンかご」と呼ばれ、小麦などの農作物の輸出が盛んで、東部地域の鉱工業に次いで農業が主要な産業となっています。現在では、アフリカやアジアにも農作物を輸出しており、世界の食糧庫になりつつあります。この豊かな実りを支えてきたのが、ウクライナ語で「黒い土」を意味する「チェルノーゼム」です。
腐植という豊富な栄養を含んだこの肥えた土壌は、ロシア平原からウクライナ周辺に分布しており、国連食糧農業機関(FAO)の土壌分類の格付けで最も高い評価を受けています。コロナ禍による世界的な物流の混乱に加えて、もしロシアのウクライナ侵攻が長引けば、世界的な小麦の供給は大幅に減少し、小麦粉の価格はさらに値上がりするでしょう。自由に貿易ができることを前提に世の中の仕組みが出来上がっていますから、一度それが脅かされると思いもかけない影響があります。
パンや麺類など小麦粉から作られる食品を頻繁に食べる家庭にとっては、家計を直撃する一大事です。見方を変えると国内の生産者にとっては追い風となるかもしれません。輸入小麦に代わって国産小麦を使ってもらえる場面が増えるかもしれませんし、もしかしたら、パンや麺類にシフトした家庭内の消費をコメに引き戻すこともできるかもしれません。食料安全保障の観点から国内の農業資源のフル活用を目指すのであれば、農家以外の若者が農業に参入することをもっと後押ししてやる必要があると思います。
(花ちゃん)
本コラムの記事一覧は下記リンクよりご覧下さい。
【消費者の目・花ちゃん】
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ダイズ、野菜類、花き類にオオタバコガ 県内全域で多発のおそれ 埼玉県2025年9月3日
-
【農協時論】小さな区画整理事業 生産緑地保全と相続対策の要に JA東京スマイル 眞利子伊知郎組合長2025年9月3日
-
【注意報】水稲に斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 愛媛県2025年9月3日
-
【注意報】ねぎ、キャベツなどにシロイチモジヨトウ 府内全域で多発のおそれ 大阪府2025年9月3日
-
【注意報】いちごに炭疽病 県下全域で多発のおそれ 愛媛県2025年9月3日
-
【サステナ防除のすすめ2025】水稲の仕上げ防除 カメムシ対策は必須 暑さで早めに対応を2025年9月3日
-
ミサイルは兵糧攻めに有効か【小松泰信・地方の眼力】2025年9月3日
-
「コウノトリ育むお米」4万4000円 JAたじまが概算金 「消費者も付加価値を理解」2025年9月3日
-
【人事異動】農水省(9月2日付)2025年9月3日
-
8月大雨被害に営農支援策 農機修繕、再取得など補助2025年9月3日
-
緑茶輸出 前年比9割増 7月の農産物輸出実績2025年9月3日
-
JA貯金残高 107兆337億円 7月末 農林中金2025年9月3日
-
『農地六法 令和7年版』発売 農地法関連政省令・通知を完全収録2025年9月3日
-
「アウト オブ キッザニア in えひめ」で「だしの伝道師」担当 マルトモ2025年9月3日
-
大阪・関西万博で「EARTH MART DAY」開催へ 食と農の未来を考えるイベント クボタ2025年9月3日
-
【人事異動】日本製紙(10月1日付)2025年9月3日
-
【人事異動】エスビー食品(10月1日付)2025年9月3日
-
鳥取県産「二十世紀梨」過去20年で最も甘い出来栄え「とっとり梨フェア」開催2025年9月3日
-
コメリ「安さ毎日」約2000アイテムの商品で生活応援2025年9月3日
-
ウルトラファインバブル水活用で牛の飼養管理改善 カクイチと共同実証実験開始 デザミス2025年9月3日