シンとんぼ(62) 食の安全とは(20)毒性の強弱を示す根拠の検証2023年9月30日
令和3年5月12日に公表された「みどりの食料システム戦略」をきっかけに始まったシンとんぼは今、そもそも「食の安全」とは何かということの検証を試みており、現在、「毒性の強弱を示す根拠」の検証のため、現在の安全の証明がどのようになされているのかを探っている。
前回までに、多数の実験動物の犠牲の上に成り立っている各種毒性試験を紹介した。くどいようだが、1つの農薬の有効成分を世に出すためには、これでもかと言われるほどの試験を重ね、実験動物が一生涯摂取し続けても何ら健康被害が発生しない量を探りあてて無毒性量が決まるわけだ。
その数値が実験動物で導き出されたものであることから、念には念を入れて、動物の無毒性量に100倍以上の安全係数をとって人間の一日摂取許容量(ADI:mg/kg体重/日)が決められている。正直、動物実験で得られた無毒性量(人間のADIの100分の1)であっても人間に健康被害が出ることは恐らくないだろう。
しかし、個人差や大人と子供の差も考慮して何かあったら困るということで100倍の安全係数がかけられている。ただし、そういった個体差などが100倍あればクリアできるかどうかはわからないが、現行の制度で登録された農薬を使用して生産された農作物を食べ続けたために健康被害が生じたという事例をほとんど聞いたことがない。
かえって、虫食い跡につくられた作物の抵抗性物質の方が農薬よりやばいものがあるかもしれないのに、自然のものなので安全だとの一言で片づけられてしまう。あまりにも数が多くて毒性をいちいち調べられていないだけで、ある意味放置されているだけなのだ。
それなのに、毒性を調べ尽くしている農薬は使用するだけで危険だが、得体のしれない物質を含んでいるかもしれない無農薬の作物の方は天然で安全だと言われてしまう。発がん性という意味では、農薬よりも普通の食べ物の方のリスクが大きいという癌の疫学者の指摘は正しいような気がするのだがいかがだろうか?
いずれにしろ、毒性の強弱はとりあえず数値で表され、一定の基準で安全(と思われる)ラインを引くことはできるが、そのラインが本当に安全であることを「信じる、信じないは、あなた次第」というのが現在の認識の差を生んでいるように思う。
こういった検証を進めればすすめるほど、「安心」とは最終判断は心情的なものに左右されるもので、相互理解を深める努力がもっとなされなければずっと平行線のままだろうという思いが強く感じるようになった。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】カンキツにアカマルカイガラムシ 県北・中部で多発のおそれ 和歌山県2026年2月24日 -
【人事異動】JA全農(4月1日付)2026年2月24日 -
【人事異動】JA共済連 県本部長(4月1日付)2026年2月24日 -
将来を担う若手リーダー24人がレポートを発表 戦略型中核人材育成研修全国研究発表会 JA全中(1)2026年2月24日 -
将来を担う若手リーダー24人がレポートを発表 戦略型中核人材育成研修全国研究発表会 JA全中(2)2026年2月24日 -
春植えばれいしょ 高温と少雨で全国8%減2026年2月24日 -
岩手県で鳥インフル 国内20例目2026年2月24日 -
鳥インフルエンザ 千葉県で19例目2026年2月24日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「高市政権初の施政方針演説にみる三つの発見」勘違い、根拠薄弱、逃げ2026年2月24日 -
暗雲が漂い始めた8年産米の動向【熊野孝文・米マーケット情報】2026年2月24日 -
【第72回JA全国青年大会】星氏、坂本氏、両副会長が次期会長に立候補2026年2月24日 -
198円弁当のラ・ムー運営会社 輸入米使ったサラダ巻きで「国産米」表示 「激安経営」に死角はないか2026年2月24日 -
J-クレジット「牛のげっぷ由来のメタンガスを減らす飼料添加物の使用」が追加 農水省2026年2月24日 -
不二家と共同開発「ニッポンエール パレッティエ」北海道産ミルクとメロンを新発売 JA全農2026年2月24日 -
山崎製パンと共同開発「ニッポンエール コッペパン生キャラメル&ミルクホイップ」新発売 JA全農2026年2月24日 -
協同乳業と共同開発「メイトー×ニッポンエール 北海道ミルクジェラート」新発売 JA全農2026年2月24日 -
伊藤園と共同開発「ニッポンエール ミルク&あまおう」新発売 JA全農2026年2月24日 -
プレミアムいちご 埼玉県産「あまりん」販売中 JAタウン2026年2月24日 -
JAかとり自慢の千葉県産「べにはるか」販売中 JAタウン2026年2月24日 -
「宮城県産 和牛とお米のフェア」東京・大阪の直営飲食店舗で開催 JA全農2026年2月24日


































