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世界の玄米市場はコロナ禍で急成長【熊野孝文・米マーケット情報】2023年11月21日

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民間調査会社によると世界の玄米市場は2020年に93億米ドルだったものが2021年には97億7000万米ドル、2028年には132億7000万米ドルまで成長すると予測している。この成長の要因になっているのがコロナ禍で、免疫力を高める効果がある玄米食が持つプレバイオティクス(腸に届き有用菌の増殖を促す食品)と高繊維に関心が集まっている。玄米が持つ機能性については古くから知られているが、その機能性が近年科学的エビデンスをもって証明されつつあり、コメの品種によって腸内の免疫細胞への働きかけが違うということまで日本の大学の研究機関の研究でわかっている。

玄米食の効用は幕末の名医で自然食の創始者石塚左玄に始まり、今日までさまざま系譜をたどりながら広がっている。現在、玄米食に注目が集まっているのは、これまでわかっていたビタミン、ミネラル、食物繊維、微量栄養素の効用に加え、腸内の免疫細胞を活性化させる成分が含まれていることが科学的に明らかになりつつあることが大きい。

先週、玄米の機能性を社会に大きく広げる取り組みとしてコンソーシアムの設立総会が開催された。翌日には、機能性を持ったコメの新規商品を開発して商品化している企業が集まって新たなコメの需要創造を推進するための検討会が開催され、この検討会でも玄米加工品の可能性について示唆に富んだ話題が交わされた。

医食同源米コンソーシアムでは代表会員に選出された大阪府泉大津市の南出賢一市長が講演、市民の健康増進や安心・安全な食料の安定確保のために東洋ライスと連携するとともに産地の自治体と連携して独自のサプライチェーンを構築しているとした。

自治体間農業連携先として賛同している自治体は、北海道旭川市、長野県上伊那郡南箕輪村、滋賀県東近江市、和歌山県日高郡日高川町、熊本県人吉市、沖縄県石垣市。また、今年5月に泉大津市健康づくり推進条例を制定して①食育の推進→医食同源身土不二②健康のリテラシーを高める→官民連携して学びの場を提供③1人1人の健康の見える化④多様な選択肢をつくる(現代医学だけでなく伝統医学等)を掲げ「未病予防対策の先進市を目指す」と述べた。

その具体的な食の取り組みとして特筆すべきは「マタニティ応援プロジェクト」である。これは妊婦の健康増進を目的としたプロジェクトで、出生届出の翌月から出産予定月まで毎月最大10㌔の金芽米をプレゼントするというもの。このプロジェクトには妊娠届者の7割に相当する444人が参加、アンケートを実施した結果、体調の変化では、とても良くなったと答えた人が8・9%、良くなったと答えた人が26・7%、合計36%の人が良くなったと答えている。また、満足度ではとても満足したと答えた人が77.2%、満足したと答えた人が17.8%、合計95%の人が満足したと答え、その効果の事例としてはかぜ、頭痛、憂鬱の症状改善まであった。

この他、食の取り組みとしては学校給食としてオーガニック食材の提供や農業連携を締結した自治体で生産された玄米を使用して金芽米として提供することや子育て応援米事業として18歳未満の子ども1人当たり5㌔を提供している。

コンソーシアムではこの他、中村学園短期大学部の中村千夏教授が医食同源米による実証研究と題して、コロナやインフルエンザ罹患率が低いという結果を示したほか、悪性リンパ腫と診断された人は金芽米エキスを飲み続けて腫瘍マーカーが下がったという事例も報告された。

オレンジページの調査によるとコロナ禍で健康意識が高まった人が72%もおり、玄米や雑穀を購入した人の割合は、2004年当時は29.4%であったが2021年には43.6%まで跳ね上がっている。玄米・雑穀米を食べはじめた理由は、1位「健康によさそう」70.7%、2位「食物繊維が摂取できる」63.5%、3位「栄養バランスを整えたい」58.0%と、健康を意識した回答が上位を占めている。

コロナ禍の真っ最中にニューヨークのおにぎり販売店とWebで結んで玄米おにぎりの人気の度合いを聞いたことがあったが、その時は「販売個数の構成比で言いますとコロナ禍前は8~9%程度だったのが再開してから14%ぐらいにアップしています」とし、特にビーガンの人が好んで玄米おにぎりを食べるようになっていると言っていた。

玄米食は玄米の加工方法が進化して、格段に食べやすくなっているほかパックご飯としても玄米商品が流通しており、簡便性が増している。冒頭に記した品種による腸内免疫細胞の働きかけの違いの研究論文が公表されれば、機能性表示食品としての玄米食の可能性が飛躍的に拡大することになるだろう。

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