商売繁盛で笹持ってこい【花づくりの現場から 宇田明】第26回2024年1月11日
昨年の花産業は「品薄単価高」。
前回紹介したように、需要が拡大したための「品薄単価高」ではありません。
需要がコロナ前に戻ったのに、供給(生産)が減りつづけたことによる一時的な「需要>供給」。
国産の減少を補ってきた輸入が、輸出国の国内事情や円安などで増えなかったことも供給不足の一因。
砂上の楼閣の単価高。
花産業を維持するためには、やはり地道に需要を拡大するしかありません。
空前の単価高でも資材コストの高騰で、花農家の経営がよくなったわけではありませんが、一息つけたのは事実。
一方、花屋は仕入れ原価の高止まりで、経営が悪化、廃業が相ついでいます。
農業は農家だけで成りたっているのではありません。
農産物を販売する小売業者があってこその農業です。
小売の繁栄なくして農家の繁栄はありません。
いきすぎた単価高は花屋の数を減らすだけでなく、消費離れをもたらします。
花産業では、鉢ものは完成品として出荷しますが、切り花は素材に過ぎません。
市場から仕入れた切り花を、花屋がそのまま消費者に販売することはありません。
花屋が束ね、ラッピングし、リボンをかけて商品に仕上げます。
切り花農家はいわば素材メーカー。
自動車産業に例えると、切り花農家はネジ、ベルト、タイヤ、バッテリーなどを納入する業者。
クルマに組み立て販売するのは花屋。
花屋で花が売れなければ農家が市場に出荷した花も売れません。
また、素材が劣悪であれば、消費者が喜ぶ品質がよい花束はつくれません。
切り花の需要拡大とは、直截的には花屋が新規顧客を獲得すること、あるいは既存顧客の購入回数を増やすことです。
生産者の役割は、花屋が売りたい、売りやすい品目、品種、規格および価格の切り花を安定供給することです。
主役はあくまで花屋。
それにもかかわらず、行政の施策は生産振興、農家支援一本やり。
いくら生産振興し、農家を支援して生産を増やしても、小売でさばけなければ、市場で二足三文。
花(農産物はすべておなじ)はつくってなんぼではなく、売れてなんぼ。
そのためには生産振興より花屋への支援が有効。
具体的には、花屋の経営改善と近代化のために、行政の支援と指導。
災い転じて福となす、すこし息を吹き返した花産業。
2024年は、小売りが儲かり、流通が儲かり、生産者が儲かる、そして消費者の心を花でいやす年にするチャンス。
関西では、七草がゆが終わると、商売の神さま えべっさん。
まずは、農家もえびす神社にお参りし、「商売繁盛で笹持ってこい」の掛け声で、花屋の商売繁盛をお願いしましょう。
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