(394)Climate stripes(気候ストライプ)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月26日
滅多にないことですが、昨日夕方、立ち上がったときに軽いめまいを感じました。帰宅後は頭痛に見舞われれたため早々に就寝した次第です。昨日の午後は水分を摂らず作業に集中していたため軽い熱中症だったようです。
さて、温暖化のイメージを視覚的に捉える手法としてよく使われるものに Climate stripes(あるいはWarming stripes)という画像がある。日本語では「気候ストライプ」と言われているようだ。ニュースなどでも使用されているため目にした人も多いはずだ。これは2018年にイギリス人の気候科学者でレディング大学教授のEd Hawkinsが作り出したものである。
彼の名前はプロフィールなどでは、Ed Hawkins MBEと記されている。このMBEは大英帝国勲章(Most Excellent Order Of the Empire)の意味である。まだ40代だが気候科学者としての実績・評価が大きいことを示している。
一言で言えば、Climate stripesは色付きのバーコードのような画像である。左(過去)から右(現在)へ、徐々に青から赤に変化していく様は、気候温暖化が着実に進展している状況を見事に示している。Hawkinsは1850年以降、現在までの気温の変化をストライプの色の変化でわかりやすく示した訳だ。やや細かく説明すると、青が9段階、真ん中が白、そして赤が9段階の19段階で示されている。最も濃い青がcoolestであり、最も濃い赤がwarmestであるという訳だ。嬉しいことにこの画像は誰でも確認・活用することができる。アドレスは以下のとおりである。https://showyourstripes.info/
サイトの作成者はもちろんEd Hawkins、権利の所有者がレディング大学だが、このサイトで作成した画像は、出典とリンク先および変更の有無を記せば、商業用利用を含め無料で自由に活用して良いとしている(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/)。これもありがたい。
具体的な使い方だが、左側に地域の選択(Select Region)、その下にRegion(地域)、Country(国)、Location(都市)があるのでASIA、Japan、Tokyo、のような感じで選択していくだけだ。そのままでもストライプは表示されるが、画像上部の項目をクリックすると、横軸の年代や通常の棒グラフの形にも変更できる。
さて、筆者は仙台に来て19年目になる。仕事や私用で今も頻繁に東京に行くが、その度に感じるのは仙台との気温と湿度の差である。そこでこのサイトを活用して、過去160年間の東京と仙台の気温の差を比較してみた。縦軸は1961-2010年の気温を平均とし、そこからの乖離を示している。上で述べたストライプは視覚的にはアピールするし、塗りつぶすことが可能な壁面などでは使いやすい。だが、こうした細かい比較にはやや不適なようで、むしろ使い慣れた棒グラフの方が違いが明確にわかるのは歳のせいかもしれない。
結果を一言で言えば、東京も仙台も、1980年代以降に平均気温を上回る赤い部分が激増していることがよくわかる。とくに、2010年以降の東京は鮮やかな赤ではなく、濃い赤で塗りつぶされているように見える。
【画像】東京(左上下)と仙台のClimate stripesおよび平均との乖離

出典:画像はいずれも、Ed Hawkins, National Centre for Atmospheric Science, University of Reading, "ShowYourStripes.info"より、LocationをTokyoおよびSendaiとして作成したもので加筆・修正は無し。参照サイトのアドレスは、https://showyourstripes.info/
面白いもので、一度こうした形での「みえる化」が進むと、各国の研究者や実業家がこれを活用し、さらに一般生活の中でもデザインなどを中心に活用が進む。自然科学分野だけでなく、さまざまな分野で応用が可能になる。実際、少し検索をしただけでも、温暖化ビジネスとまでは言わないが、バスの外装やポスター、ステージなどの背景にClimate stripesを活用している事例の画像を見つけることができる。
また、米国海洋大気庁(通称NOAA)では、世界ではなく米国の長期気温と降水量の変化(1895-2023年)を同様の形で公表している。便利な時代になったものだと喜ぶ一方、事態は決して喜ばしいものではないこともよくわかる。
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昨日のことがあったため、今日は定期的に水分補給に努めています。授業が続くと、つい忘れがちになるので気を付けなければいけませんね。
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