シンとんぼ(139)-改正食料・農業・農村基本法(25)-2025年4月26日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項についてして持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのか思案を巡らせている。実際の具体的な内容については先日(4月11日)に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」をもとに詳細を検討することになるが、改正法全体の理解を深めた上で、基本計画の内容を検討したいと思うので、もうしばし条文の内容把握に努めたい。今回は第二十一条と第二十二条だ。
第二十一条と第二十二条、旧法の第十八条を削り、その内容を2つのテーマに分けて新設されている。つまり、旧法の第十八条で「農産物の輸出入に関する措置」をテーマにしていたものを輸入と輸出を分けて条文化され、第二十一条では「農産物の輸入に関する措置」が、第二十二条では「農産物の輸出の促進」が記されている。
第二十一条の内容は農産物の輸入に関する措置が示され、第1項が「国は、国内生産では需要を満たすことができない農産物の安定的な輸入を確保するため、国と民間との連携による輸入の相手国の多様化、輸入の相手国への投資の促進その他必要な施策を講ずるものとする。」、第2項が「国は、農産物の輸入によってこれと競争関係にある農産物の生産に重大な支障を与え、又は与えるおそれがある場合において、緊急に必要があるときは、関税率の調整、輸入の制限その他必要な施策を講ずるものとする。」、第3項が「国は、肥料その他の農業資材の安定的な輸入を確保するため、国と民間との連携による輸入の相手国の多様化、輸入の相手国への投資の促進その他必要な施策を講ずるものとする。」となっており、旧法の第十八条で示された輸入措置の条文に「肥料その他の農業資材の安定的な輸入の確保を目的とした施策を講じる」といった内容の条文が追加されている。これは、昨今の肥料価格高騰など生産資材の多くを輸入に頼る現状を鑑みて追加されたのだろう。一方、第二十二条の内容は農産物の輸出の促進について示され、「国は、農業者及び食品産業の事業者の収益性の向上に資するよう海外の需要に応じた農産物の輸出を促進するため、輸出を行う産地の育成、農産物の生産から販売に至る各段階の関係者が組織する団体による輸出のための取組の促進等により農産物の競争力を強化するとともに、市場調査の充実、情報の提供、普及宣伝の強化等の輸出の相手国における需要の開拓を包括的に支援する体制の整備、輸出する農産物に係る知的財産権の保護、輸出の相手国とのその相手国が定める輸入についての動植物の検疫その他の事項についての条件に関する協議その他必要な施策を講ずるものとする。」となっており、近来取り組んできた日本産農産物の輸出の際に課題となっていた事項への対処に国が積極的に取り組む姿勢を伺うことができる。是非とも、条文をの内容をきっちり実行に移して頂けるものと期待している。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(168)食料・農業・農村基本計画(10)世界の食料需給のひっ迫2025年11月15日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(85)炭酸水素塩【防除学習帖】第324回2025年11月15日 -
農薬の正しい使い方(58)害虫防除の考え方【今さら聞けない営農情報】第324回2025年11月15日 -
【地域を診る】「地方創生」が見当たらない?! 新首相の所信表明 「国」栄えて山河枯れる 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年11月14日 -
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】コメを守るということは、文化と共同体、そして国の独立を守ること2025年11月14日 -
(461)小麦・コメ・トウモロコシの覇権争い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年11月14日 -
根本凪が農福連携の現場で制作「藍染手ぬぐい」数量限定で販売 JAタウン2025年11月14日 -
北陸初出店「みのる食堂 金沢フォーラス店」29日に新規オープン JA全農2025年11月14日 -
農協牛乳を使ったオリジナルカクテル「ミルクカクテルフェア」日比谷Barで開催2025年11月14日 -
宮城県産米の魅力を発信「#Teamみやぎ米キャンペーン」開催 JAグループ宮城2025年11月14日 -
農林中金とSBI新生銀行が業務提携へ 基本合意書を締結2025年11月14日 -
創立60周年となる通常総会開催 全農薬2025年11月14日 -
米による「農業リサイクルループ」を拡大 JR東日本グループ2025年11月14日 -
食と農をつなぐアワード「食品アクセスの確保」部門で農水大臣賞 セカンドハーベスト・ジャパン2025年11月14日 -
「有機農業の日/オーガニックデイ」記念イベント開催 次代の農と食をつくる会2025年11月14日 -
「11月29日はノウフクの日」記念イベント開催 日本農福連携協会2025年11月14日 -
スマート農業で野菜のサプライチェーンを考える 鳥取大で12月19日にセミナー開催 北大スマート農業教育拠点2025年11月14日 -
農泊・農村ツーリズム「農たび・北海道ネットワーク研修会」開催2025年11月14日 -
農地のGHG排出量を推定・算出 営農改善を支援する技術で特許を取得 サグリ2025年11月14日 -
農機具王 農業インフルエンサー「米助」と協業開始 リンク2025年11月14日


































