シンとんぼ(151)-改正食料・農業・農村基本法(37)-2025年7月19日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。現在、2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法をしっかりと学び、同法を理解した上で農業関係者が何をしなければならないのか思案を巡らせている。実際の具体的な内容については先日(4月11日)に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」をもとに詳細を検討することになると思うが、まずは改正法全体の理解を深める方が先決と考え、現在も条文の内容把握をすすめている。今回は第四十二条だ。
第四十二条は、旧法の第三十二条に1項と3項を新設した条文で、農業資材の生産及び流通の確保と経営の安定をテーマにしている。その第1項は新設の条文でその内容は「国は、農業資材の安定的な供給を確保するため、輸入に依存する農業資材及びその原料について、国内で生産できる良質な代替物への転換の推進、備蓄への支援その他必要な施策を講ずるものとする。」となっている。第2項は旧法のままで、「国は、農業経営における農業資材費の低減に資するため、農業資材の生産及び流通の合理化の促進その他必要な施策を講ずるものとする。」となっている。第3項も新設された条文で、その内容は「国は、農業資材の価格の著しい変動が育成すべき農業経営に及ぼす影響を緩和するために必要な施策を講ずるものとする。」となっている。
要するに、農業経営安定させるために、生産に必要な生産資材や物流の確保に努めるとともに、もし生産資材価格の著しい高騰などがあった場合には、農業経営への打撃を緩和するために資材価格の一部助成などを実施しますよということなんだろう。過去の肥料高騰問題でも、どちらかというと根本的な解決に奔走するというよりも補助金で解決しようとした歴史があり、今回もそうするよといっているだけに感じる。
99%を輸入にたよる肥料原料については、第1項に「輸入に依存する農業資材及びその原料について、国内で生産できる良質な代替物への転換の推進、備蓄への支援その他必要な施策を講ずるものとする。」としており、有機資材や緑肥の活用、汚泥肥料など従来からいわれて施策を追記したようなもので、目新しいものは感じられない。それよりも、また何かあれば国が生産資材価格になんだかんだと介入し、生産資材メーカー・流通いじめに発展しないかと心配している。そうはならないことを願っているのだが・・・。
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