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見かけは盛んな花の研究ですが...【花づくりの現場から 宇田明】第68回2025年9月11日

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秋は学会のシーズンです。
コロナ禍を経て、ようやく対面での大会が再開され、平常に戻りました。
花の研究者や技術者が集う園芸学会も、春と秋に開催されます。
花に関する発表数は、野菜や果樹に比べると少ないものの、世界的には非常に多く、日本の花の研究は盛んなように見えます。

園芸学は農学と同様に応用科学。
栽培技術の改良や新品種の開発を通じて、花産業の発展と人々の生活の豊かさに貢献することを目的としています。

図

図は、花の生産額と園芸学会での花の発表課題数の推移を示しています。
2000年に5,867億円だった生産額は、2024年には3,553億円にまで落ち込み、40%も減少しました。
このまま減り続ければ、20年後には国内の切り花生産が消滅しかねません。
ところが、園芸学会での花の研究発表課題数は、2000年の157課題から2025年の156課題(予定数)と、この25年間ほとんど変わっていません。
研究は盛んなのに、肝心の生産が衰退する現状は、「農学栄えて農業滅ぶ」という皮肉な格言を思い起こさせます。

背景には、花の特殊性があります。
稲や野菜、果樹の研究が「生産」に特化しているのに対し、花では「生産」は研究対象の一部に過ぎません。
花は「観賞園芸」と呼ばれるように、観賞を目的とするあらゆる植物を扱うため、研究分野の間口が非常に広いのです。
観賞園芸には、農家が花を生産・販売する「生産園芸」のほかにも、「都市園芸・景観園芸」、「社会園芸(園芸療法・趣味園芸・家庭園芸)」、「古典園芸・伝統園芸」、「園芸美学」など多様な分野が含まれます。

さらに、食用ではないため研究対象となる植物の種類が多いのも特徴です。
2025年の園芸学会での研究対象の植物は、花では156課題で49種類ですが、野菜は328課題で38種類、果樹は192課題で17種類にすぎません。
研究対象が広すぎることが、成果の分散につながっています。

「農学栄えて農業滅ぶ」を回避するため、学会や行政はさまざまな対策を講じています。
園芸学会では、それまでの英文での「園芸学会雑誌」とは別に、和文の「園芸学研究」誌を2002年に創刊し、埋もれがちであった「新しい技術の実用化と普及を目指した研究」成果を掲載しています。
また、農林水産省は新技術の実証試験予算を計上し、大学や研究機関が開発した成果が現場に届くための仕組みを整えてきました。

しかし、肝心の「実用的な成果」がまだ少ないのが現状です。
花産業に残された時間は多くはありません。
だからこそ「急がば回れ」。
実用的な成果を得るためには、逆説的ですが、時間がかかっても基礎的な研究が不可欠です。
それには、花においても大学・農研機構・都道府県研究機関の連携が必要です。

見かけは盛んな花の研究ですが、その成果が生産と結びつかなければ、花産業だけでなく、研究者の未来もありません。

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