シンとんぼ(160)-食料・農業・農村基本計画(2)-2025年9月20日
シンとんぼには農業の持続的発展と食料の安定供給への切なる思いがあり、この思いが一日でも早く実現されることを願いながら、今後の農業を占う様々な事項について持論を展開している。
前回までに2024年6月に改正された食料・農業・農村基本法(以降、「改正基本法」)の条文の理解を深めてきた。シンとんぼなりにしっかりと学べたのではないかとは思っている。今回から同法の理念を実現する具体的な内容を記した(であろう)2025年4月11日に閣議決定された「食料・農業・農村基本計画」(以降、「基本計画」)の詳細を検討しながら、基本法の理念がどのように反映され、どうやって実現しようとしているのか等を検証し、農業現場で何がなされなければならないのか探っていこうと思う。
基本計画の第一には施策についての基本的な方針が掲げられている。
その内容は、『改正基本法においては、基本理念として、「食料安全保障の確保」、「農業の持続的発展」、「環境と調和のとれた食料システムの確立」、「多面的機能の発揮」、「農村の振興」が定められている。基本計画においては、この実現を図るのに基本となる食料・農業・農村のそれぞれの分野において講ずべき施策を体系的に整理することとし、これら施策についてテーマを設定した。以下にテーマごとの基本的な方針を示す。』となっているのだが、どのようなテーマが設定され、「このテーマの基本方針はこれだ!」というような明確な書き方にはなっていない。ただ、中身をじっくり読んでみると、第一項の冒頭に示された基本法の基本理念にほぼ沿っているのがわかるので、基本理念ごとに基本的方針の内容を確認していこう。
1つ目が「食料安全保障の確保」である。
まず、我が国の食料供給が、国内の農業生産の増大を基本とし、これと併せて国内生産だけでは賄えない食料の安定的な輸入の確保、凶作や輸入の途絶等の不測の事態に備えた備蓄によって行われていることをあげている。しかし、「国民一人一人の食料安全保障」を確保するためには、国として食料の総量を確保するだけでは十分ではなく、農業者、食品事業者、消費者等、食料の生産から消費に至る各段階の関係者が有機的に連携した「持続的な食料システム」を構築が必要だとしている。その上で、食料を生産・加工し消費者まで送り届ける食料システムの中で、重要な役割を担っている食品産業の持続的発展と食料の持続的な供給に要する費用が考慮された合理的な価格形成の推進を図ることを基本方針にしているように読める。これに加え、平時の食品アクセスの安定に加え、特に食料供給が不足するなどの不測時の食品アクセスの確保を目指すとしている。
これらは、食料安保を確保していく上で非常に重要な事項なので、実効のある施策の展開を期待したい。
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