人口減少社会を予測 JA共済総研が機関誌で2013年4月9日
一般社団法人JA共済総合研究所(JA共済総研)は3月末、『共済総合研究 Vol.66』を発行した。
◆JA愛知厚生連足助病院の先進的研究
『共済総合研究』はJA共済総研が年2回発行している論集だ。
今号は、巻頭で浅野博司同研究所常任監事が「自立と成熟について」をテーマに、相互扶助のネットワークやTPPの危険性について提言した。
研究報告で、川井真主席研究員は「人口減少社会の未来予想図」として、人口が減少していくなかでの福祉、社会保障、労働のあり方などについて研究。高齢社会を豊かに生きるためにはどうすればいいか、をテーマに論じている。
その一事例として、65歳以上人口が約35%と、日本の20年後の人口構成と似た構成になっている愛知県三河中山間地区で、保険、医療、高齢者福祉を支えているJA愛知厚生連足助病院の活動を報告。同病院が中心となって立ち上げた「三河中山間地域で安心して暮らし続けるための健康ネットワーク研究会」の活動や、地域ごとの患者の通院困難性の調査結果などを紹介している。
◆物価が上昇しても購買力は上がらない
また、古金義洋主席研究員は「産業構造の変化と雇用情勢」をテーマに、昨今の経済情勢の変化やグローバル化によって雇用がどう変わるかについて報告した。
1990年代以降、物価の下降による賃金下落が消費の減少を促進した、とする論調に対し、産業別の労働生産性の変化に焦点を当てることで異を唱え、「物価を上昇させることで消費が活発化する、という期待があるが、実質賃金が伸び悩む中で名目賃金だけ上昇しても消費者の購買力は高まらない」と、アベノミクスの考え方に一石を投じている。
これらのほか、韓国原州地域での有機農業と医療生協の融合事例、JAの子育て支援活動、など全6本の研究報告を掲載した。
『共済総合研究』はJA共済総研ホームページで全ページ無料で公開している。
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